「強み=人よりも秀でた才能」ではない
もちろん、一般的な強みのイメージである「人より秀でた才能」や「高難易度の資格や仕事の実績」などを持っていれば、「強み」として活かせる場面もあります。しかし、それらがないからと言って、必ずしも「目的が達成できない」とは限りません。
上記の転職の例であれば、仮に「才能」がなくても「コツコツ真面目に取り組む性格への安心感」を感じてもらえれば採用されるかもしれません。仮に「大きな実績」がなくても「独学で学んだITスキルの高さ」を評価してもらえれば採用されるかもしれません。このように「目的=転職活動で内定を得ること」が達成できさえすれば、「才能」や「実績」がなくてもよいのです。
したがって、自分が「この目的を達成したい」と思うことに対して「1ミリでも有利に働く特徴」があれば、それは紛れもなくあなたの「強み」です。
このように「自分の特徴」が使い方によっては「強み」になるものだと考えると、「強みは限られた人にあるもの」ではなく、「すべての人にあるもの」だと私は考えています。
「強み=人より秀でた才能」などのように限定的なイメージで捉えてしまうと、途端に「強みがわからない」と悩む「強み迷子」が生まれてしまうのです。
「自分の特徴」から目的達成に使えるものを選ぶ
それでは、実際に「強み」はどのように見つけていけばよいのでしょうか?
まず前提となるのが、「強み」を見つけるには、「強み探し」を先にしないこと。ここで言う「強み探し」とは、「強みになりそうな特徴だけを見つけよう」と考えて自己分析を行うことです。
そうではなく、まずは「強みになるかどうかわからない(強みにならないかもしれない)」としても、とにかく「自分の特徴」を大量に列挙することから始めましょう。次のステップとして、「自分の特徴」の中から「目的達成に使えそうな特徴」を選ぶことで、初めて「強み」に変わるのです。
とはいえ、「自分の特徴の列挙」と言われても難しいですよね。そんなときには「特徴」をさまざまな項目に細分化してみるとよいでしょう。
たとえば、元来の「性格」の特徴や、後天的に身につけてきた「経験」「知識」「スキル」といった特徴。このように細分化することで、自分の特徴の列挙がしやすくなります。
すると、「真面目で責任感が強く、何事もコツコツと最後までやりぬく性格」や、逆に「短期集中でスピード感を持って仕事を終わらせる性格」など、人によって異なる「性格の特徴」が出てくるはず。あるいは「経験」を書き出してみるにしても、「IT業界」「旅行業界」「飲食業界」「教育業界」などさまざま。そこで得られた「知識」や「スキル」も、人とは違う自分ならではの「特徴」となっているはずです。
これらの活かし方を見つけることが、「強みを見つけること」に他なりません。