中間管理職を役員や部長に登用

木村屋では、こうした状況を打開して生産性を上げるために、まず、業務の仕組みや手順、基準といったルールを作り、これを定着させることに取り組んだのです。

その過程で、商品ごと、取引先ごとを始めとしてさまざまな切り口でセグメントごとの収益を見える化して、不採算となっている商品や取引先について、将来的な改善見込みも考慮しながら、個別に撤退と存続の判断を行っていきました。

こうした構造改革は、組織や人事面でも実行されることになります。改革の初期段階で組織ごとに役割を見直し、それぞれの役割に対して過去の経験値にとらわれることなく、中堅管理職を執行役員や部長職に登用したのです。

社員への意識改革も、新たに登用した管理職を始めとして徹底して行われました。その一環として、「中長期的にこの会社はいかにあるべきか。そのために今日・明日なにをすべきか」との視座で「キムラヤスタンダード」という行動指針を新たに作りました。

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ナンバー1の品質、強みの開発力、5つの価値観

キムラヤスタンダードには、「『キムラヤカテゴリー』を創造する! 『おいしいパン』を提供し続け、正しい利益を得る!」ために、以下の3つの行動指針が設定されています。

1.品質作りこみスタンダード:食品業界でナンバー1の品質作りこみを実行する
・責任と誇りを持って原材料を選びます
・きめ細かな原料管理を徹底します
・基準・手順に従って製造・出荷します
・5S活動は会社の要、責任をもってやりぬきます
・日々成長する会社であり続けます

2.開発・販売スタンダード:強みにこだわった開発・販売を実行する
・伝統の美味しさ・製法にこだわった製品を開発します
・キムラヤ独自の開発・販売にこだわります
・強みを知っていただくために積極的にチャレンジします
・強みが伝わるまで、一人一人に丁寧にお伝えします
・目標値(=KPI)達成にトコトンこだわります

3.行動スタンダード:5つの価値観に従って行動する
・全体最適を実現するための行動に徹します
・「事後対応」ではなく、「未然防止」に徹します
・1円・1%にこだわります
・団体戦に徹します
・自責で捉え、チャレンジを楽しみます