「ポジティブな言葉」で五感と脳が発達

幼児期は、脳の吸収力が一番高い時期です。

植物が太陽の光に向かってぐんぐん伸びていくように、子どもたちは「知りたい」「学びたい」という欲求に満ちています。

この時期に、お母さん、お父さんが正しく関わることで、子どもの五感と脳が発達し、本来持っている才能を開花させることにつながります。

ここで大切なことは、「言葉がけ」です。ネガティブな言葉ではなく、ポジティブな言葉をかけることが重要です。

子どもは純粋ですから、かけられた言葉を素直に受け取ります。言葉を換えれば、暗示にかかりやすいともいえます。ですから、積極的によい暗示をかけてあげましょう。

写真=iStock.com/Drazen Zigic
毎日の言葉がけが子どもの才能を伸ばす

「4つの言葉」が才能を開花させる

私たちの幼児教室では、レッスンのはじめに、次の4つの言葉をかけるようにしています。

1つめは、「お父さん、お母さんは、あなたが大好きだよ」です。

自分が親から愛されているということは、自分を認められているということです。自己肯定感が高まり、自分に自信を持つことができます。

池江美由紀『子どもの心と才能が育つ【池江式】魔法の言葉』(PHP研究所)

2つめは、「いつも一緒だよ」です。「あなたと一緒にいるよ」というメッセージです。親や先生がいつも心は自分と一緒にいてくれるという一体感が生まれ、子どもは安心して目の前のことに取り組めます。

3つめは、「これから勉強を始めます。勉強することが、あなたのなかにスイスイ入っていきます」というメッセージです。この「スイスイ」が、子どもの耳に残るキーワードです。

これは、今日の学びが身体のなかに浸透するという学習効果を高める暗示です。教室では、みんなで両手を頭に当てて、「スイスイ」というポーズをとっています。

4つめは、「あなたは将来、人の役に立つ人になるよ」です。能力を高めて、それを発揮できるようになる。たしかに、それだけでも素晴らしいことです。

ただし、能力の使い道や発揮する方向性を誤れば、幸せにはなれません。4つめの言葉は、自分の才能・能力を発揮することで、人の役に立ち、世の中に貢献するんだという勉強の真の目的を伝えておくためです。

子どもたち自身は、今の時点ではピンときていないかもしれません。でも、意味を理解しなくても、大切なことは言葉にしてかけ続けることです。

毎日、暗示をかけることによって、知らず知らず身体のなかに「何を大切にするか」「何のために学ぶのか」が蓄積し、育っていきます。

3歳の生徒さんは、あるとき保育園の先生に、「どうして幼児教室で勉強しているの」と聞かれたそうです。その子はすぐに、「みんなの役に立つ人になるためだよ」と答えました。

あとでそのことがお母さんの耳に入り、私たちも知りました。

そのような心が育つのが、幼児教育の素晴らしさです。

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