「握る力」で脳が発達する
握ることは、脳にたくさんの刺激が伝わって、脳の発達によい影響を与えるといわれています。「握る力」は、赤ちゃんの頃から鍛えることができます。
私は、璃花子が生まれたとき、おむつを替えるたびに両手で私の親指を握らせるようにしていました。
そして、私の指をつかませながら、身体を起こしたり、そのまま上に引き上げて立たせたりしました。握る力が強くなってくると、指をつかませたまま、身体を吊り上げられるようにもなりました。
赤ちゃんの握る力は、意外と強いものです。おむつ替えのたびに鍛えると、みんなできるようになります。
先に述べたように、少し大きくなれば、鉄棒やうんていにぶら下がることで「握る力」を鍛えることができます。
はじめは、高いところにある棒に、自分で飛びついてつかむことはできません。大人の力を借りて、つかまることになります。
必要以上に手出しをしない
このとき、1つ注意したいことがあります。
それは、はじめから大人が抱き上げて、つかまらせようとしないことです。こうすると、子どもは受け身で棒を握るだけになります。
子どもが、自分でチャレンジしているという意識を持てるような、ひと工夫をするとよいと思います。
まず、「どこにぶら下がりたい?」と聞いて、位置を決めます。そして、「よし。じゃあ、飛びついてみようか」と言ってジャンプさせます。子どもがジャンプしたタイミングを見計らい、引き上げるアシストをして棒につかまらせます。
こうすることで、子どもは自分から飛びついて棒につかまったという気持ちになれますし、ジャンプ力を鍛えることにもなります。親も楽です。
実際、何度かこれを繰り返していると、あっという間に自分の力だけで飛びついてぶら下がれるようになります。大人が必要以上に手出しをしないことで、子どもには自分の力を出して物事を達成しようという感覚が育ちます。
何事も「やってやる」のではなく、子どもの伸びる力を上手にアシストすることが、親の重要な役割です。