無意識のうちに自分をないがしろにしていないか
家族に、配偶者に、または仕事の取引先に配慮するあまりに、自分自身に使うエネルギーが枯渇してしまっている状態は、マインドレス──すなわち無意識のうちに何もかも習慣化されてしまっている可能性があります。それにまず気づくことで、現状のままでいいのか、それとも違う結果を出したいのかという選択肢が生まれます。もっと自分のためにエネルギーを確保するという選択を意識的に行うことで、自分の中に余白を持てるようになり、感情に流されにくくなります。
また、選択肢を増やし、自分のためにエネルギーを確保する選択を意識的に行っていくことは、おのずと自分自身の権限を尊重し、自信を持つことにもつながります。なぜなら、今選択したアクションが、自分が本当に望んでいる結果と一致するからです。大切に思っているはずの子どもたちに向かって怒りを爆発させ、怒鳴り散らしてしまうと、誰の得にもなりません。別の選択肢が必ずあるはずなのです。
学校へ行く準備をせずにレゴで遊ぶ息子
わたし自身、完璧な親ではありません。キレることもあります。特に、朝の忙しい時間帯に息子がなかなか支度をせずにレゴで遊んでいる時などは、本当にキレそうになりました。このパターンが毎朝繰り返されていくうちに、イライラも次第に募っていきました。
ある朝わたしは興味深くなり、息子にやさしい口調で訊いてみました。なぜ学校へ行く準備もせずに、レゴで遊んでいるのかを。すると息子は、「昨晩夢で見たものをレゴで再現しているんだ」と教えてくれました。
……なんと壮大なのでしょうか。息子の世界は、わたしが想像していたよりももっとずっと大きなものだったのです。とても大きな感動を覚えた瞬間でした。わたしの思い込みがいかに世界を狭めているかを思い知った瞬間でもありました。
「わかった」とわたしは息子に言いました。「夢の世界を作ろうとしているのは、わかった。それはいいと思う。でも、まずは朝ごはんを食べて、着替えて、歯を磨いてからにしようか? それ全部をやるには、どうすればいいかな?」。それ以降は、息子自身に問題解決のミッションを与えることで、なんとかうまく回せるようになりました。