相手が話している理由に好奇心を持つ
この関係の相手への聞き方は、すでにお話をした、ハイコンテクストな(事前に共有している情報が多い)部下の話を聞くときの考え方とほぼ同じです。
もっとも注意しなければならないのは、「またこの話か」という落とし穴に落ちないようにすること。そして、「今日の話は昨日までの話と違うかもしれない」と、おまじないのように唱えながら「新しい気持ち」で聞くということ。
また、相手はアドバイスを求めているわけではないので、聞かれない限りアドバイスについて考えをめぐらせないでください。
その代わりに、「相手は、どうして、今、自分にそのことを話しているのか?」という、その理由に好奇心を持つことが大切です。
わかりやすい例で言えば、「お隣の家、海外旅行ですって」と言ってきたのは、「たまには旅行ぐらい連れて行ってよ」という意味だったりするのかもしれません。耳の痛い話ですが……。
近い関係だと、そのような、いわゆる行間を読む会話が成り立つのです。
また、もしも相手が話をしてきたときに、自分が聞けない状態だったら、「ごめん、ちょっと今、聞けないかもしれないので、あとで聞くから改めてもらっていいかな」とリセット宣言をする、というのもトラブルを未然に防ぐ知恵だったりします。
聞いているフリをして生返事をしていて、あとから痛い目をみるよりも、「聞けていないよ宣言」をすることで、末永く続く最高の関係を自ら手にしてくださいね。