「男性隊員が女性隊員に対して、首に手をかける技をかけていること自体がハラスメントであるという認識があるのか否か。私的な生活の中で起きた出来事なのか、訓練中の行為なのか。訓練と称したハラスメントではないのかなど、さまざまな疑問が浮かびます。ハラスメント行為があれば処分に値する問題なので、組織としてきちんと調査をするべきです」
最後に、五ノ井さんは実名と顔出しで告発に踏み切った理由をこう話す。
「内部に残る自衛隊員から『なかったことにしようとしている』と聞きました。隠蔽です。ここでなかったことにしたら、これから被害者がもっと増えてしまう。セクハラをしている人は、今でも普通に隊にいて、また新しい女性隊員が入ってきた時に同じことが起こります。それだけは阻止したい。あとは、謝罪がほしいです。その一心で声をあげようと決意しました」
五ノ井さんの悲痛な思いは、自衛隊員たちに響いているのだろうか。
(AERA dot.編集部・岩下明日香)