自分の意志でチャレンジする

「勉強っぽくないこと」ができる人ほど尊敬される理由も、ここにあります。

象徴的なエピソードとして思い出すのが、ある年の始業式でのひとこま。

始業式では、校外で何かの成果を挙げた人を表彰する時間があります。たとえば、数学、化学、生物などの「○○オリンピック」での入賞やメダル獲得。私も高2のときには壇上に登っています。

とはいえそうした生徒は毎年数人は出るので、あまり希少価値はありません。拍手も「それなり」の大きさです。

ところがその年、一学年下のある生徒が「パワーリフティングの日本代表」になったと発表されたときは、万雷の拍手が起きました。

このような目に見える形でなくとも、「笑いのセンスがある」とか「楽器がうまい」とか、一芸のある生徒は一目置かれていました。極端な例を挙げると、「ナンパの技術」を極めて、近隣の女子高との交流を活性化させていた同級生も尊敬を集めていました。

もちろん、そうしたカジュアルな一芸だけではありません。多くの生徒が、自身の関心の赴くまま、オリジナリティのある活動を展開していました。

アプリを開発する生徒あり、震災ボランティア組織を立ち上げ、企画から実行まで主導する生徒あり。生徒会長は「全国生徒会」を組織して、学校同士が交流できる場を作っていました。そうした個々の活動は、生徒たちが互いに刺激を与えあう雰囲気を、校内に創り出していました。

自分自身の意志でチャレンジすることに対する、暗黙のリスペクト。その文化は私自身のチャレンジ精神をも、大きく育ててくれました。

中学、高校時代の学習のポイント

勉強だけにとらわれず、世界を広げる
中高時代は触れる情報量も多くなり、自分ならではの「○○したい」「○○でありたい」といった価値観ができてきます。ですから勉強だけにとらわれず、興味のあることに何でも打ち込んでみましょう。関心のある学問分野を極めるのもいいですし、部活や趣味や、学外での活動を広げるのも有意義。机に向かう勉強だけでは得られない、広い意味での学びがあるでしょう。

点数のためだけの勉強をしない
偏差値や校内での順位、大学合格率のアップなど、「数字を取るための勉強」はモチベーションを維持するのが大変です。実力を伸ばすことによって何ができるか、何がしたいか、どんな分野が自分に合っているのか、を考えながら勉強することが大事です。

勉強以外にも「原理原則」はある
原理原則思考は、勉強だけに有効なものではありません。スポーツ、遊び、創作などあらゆる活動が、原理原則にのっとって考えるとレベルアップしたり、さらに楽しくなったりするものです。「こうすればもっと上手になる」「こうすればもっと面白い」といった工夫を重ねていきましょう。

どんな科目も「暗記だけ」と決めつけない
生物や、社会科系の科目は一般に「暗記科目」だとされがちですが、暗記の要素が多いだけで、その暗記もあくまで基盤の部分です。レベルが上がるほど、思考力が求められるようになります。覚えるだけで済ませず、事象の因果関係や法則性を探る習慣をつけましょう。英語は暗記がメインとはなりますが、英語を使って実際に海外の人とコミュニケーションを取るなど、暗記をした先の楽しさや意義を感じることも重要です。

授業を真剣に聞くと、家では軽い復習で済む
授業中ダラダラと過ごし、そのぶん家や塾で一から勉強、というやり方は非効率です。「50分間で完全に理解する」くらいの熱量で集中すると、家では軽く復習するだけで済みます。試験前に慌てて詰め込む、といった二度手間も防げます。

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