10万個が一気に売れ、増産につぐ増産

それで2020年の第4世代「ネッククーラーNeo」になるわけです。

画像提供=サンコー
ネッククーラーNeo(2020年)5980円

モデルチェンジを重ねてきて、とてもカッコ良いデザインになったし、冷却性能も外気温マイナス15度とさらに向上。また、強〜弱を自動で繰り返すことで冷たさの感覚が麻痺することなく、ひんやり感を維持できる“ゆらぎモード”も新たに搭載しました。

さらに何度も繰り返してきた販売の機会損失をしないよう、開発製造計画も念入りに立てて発売に臨んだのです。

当初10万個を製造し、4月に売り出したら、いきなり売れ始めて、すぐに増産を決めました。結局、増産につぐ増産で1年間で24万個が売れました。

類似商品が出てきてもサンコーが慌てないワケ

こうしてネッククーラーは、知られれば知られるほど売れる商品になりました。また、企業や組織で働く人たちに配給される業務用の熱中症対策用品にもなり、大量一括購入をしてくださる法人のお客様が目立って増えてきました。ようやく開発製造の努力が実り、大量販売が可能になったのです。

山光博康『スキを突く経営』(集英社インターナショナル)

ところが、私たちが発明品だと考えていたネッククーラーの特許を取得しようとしたら、残念ながら特許の対象になりませんでした。制御システム部分については実用新案をとっていますが、特許で独占できない商品ですから、今後は類似商品がたくさん出てくるはずです。

しかし私たちには、改良に改良を重ねて7年間で80万個を売ってきたというキャリアがある。性能も機能もデザインも価格も、そう簡単にはマネされないと思っています。どんなに類似商品が出てきてもトップランナーであり続けられるような開発を続けています。

ネッククーラーシリーズがなかったら、サンコーは家電メーカーになれなかったのですから、大切に育てていくべきロングセラー商品だと位置づけています。

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