6時間働いて得た金額は…
その後、心を無にして打っていると、意外や時間が早く進むのに気が付いた。何も考えずにやってると楽なのだ。
その調子で打ち続けること数時間。下皿に溜まっていたメダルはなくなってしまった。
ふう、ラインで連絡を入れよう。
『下皿のメダルなくなりました。追加で現金投資しますか?』
数分後返信が。
『いま、カードにいくら入ってますか?』
『6千円です』
既読マークがついたあと、彼が俺の方に歩いてきた。あれ? 店内で話をしても大丈夫なの?
彼が何やら台をチェックしている。どうやら、俺が伝えた残高が正確か確認してるみたいだ。どんだけ信用されてないんだよ。
耳元で大声を出した。
「じゃあ、もう清算して帰っていいよ。その6千円がバイト代ってことで! お疲れさま!」
現在、時刻は16時前。ちょうど時給にして千円ってわけだ。
無事に金を受け取って帰りの途についた。
最終的にあの男が勝ったのかどうか、知らないし興味もない。長時間パチ屋にいたせいで、キーンと耳鳴りがする。はあ、精神的に疲れたぞ。もう二度と打ち子はやりたくないな。
最後に補足を。バスタで勧誘される仕事は他にも、風俗店のスタッフ、裏ビデオ屋の店員などのグレーな職種が多いようだ。
興味がある人は早朝のバスタで、上京したての男を演じてみてください。