「5年後開通はすでに絶望的」なぜ工事は進まないのか
そうなると問題はむしろ「いつ東京から福岡までリニア新幹線がつながるか」に集約されるはずです。
お隣の中国を見習いましょう。建設のスピードアップが最重要テーマです。日本経済復活のためには今から10年後、2030年代前半には中央四国リニア新幹線を全線開業させるべきだと思いませんか。
ここで、この日本列島改造計画の突破ポイントは政治に移ります。
現実にはリニア中央新幹線建設は静岡県で止まっています。2027年の部分開業はすでに絶望的だという話も聞かれます。大井川の水量減少問題で静岡県とJR東海の関係がこじれにこじれて話し合いが頓挫しているのです。
それで日本政府がどういう態度かというと、国土交通相が、「両者できちんと話し合いなさい」と指導しておしまいという状況です。
わかる人にはわかるたとえで言えば、これは10年間口をきかなかったおぼん・こぼんの2人を当事者同士で仲直りさせるようなものです。おぼん・こぼんの場合は『水曜日のダウンタウン』の中で仲直りしてめでたしめでたしとなったわけですが、最悪、ブチ切れて放送が終わる危険性も2万%ぐらいあったはずです。
「話し合い」を現場にゆだねている場合ではない
日本経済の未来を考えたら、リニア新幹線を両者の話し合いに任せるのは明らかに愚策です。
本来で言えば国土交通大臣ではなく総理直轄プロジェクトとして総理が直接乗り出すぐらいの話です。ないしは「リニア中央話し合い特命大臣」として河野太郎氏か川淵三郎氏あたりの重鎮を起用すべき。そして名古屋―大阪間は日本維新の会に外注し、四国リニアは移民経済担当大臣が指揮したらどうでしょう。
野党に政策を外注するというのは常識では考えにくい魔改造ですが、餅は餅屋、関西は関西です。名古屋―大阪間は現在奈良県を通るルートで計画されていますが、この先、京都が横やりを入れるという新たな政治問題が予想されていて、この問題は維新のほうがさばきやすいかもしれない。
リニア開発の加速はそこまで禁じ手を繰り出して、それぞれが競争して開発を進めるぐらいの国家重要事項ではないでしょうか。