残りの予算を四国延伸に使うべき2つの理由

さて、リニア中央新幹線の名古屋以西部分を仕上げたとして、最初に用意した12.5兆円の予算は結構余るはずです。では、どうするかというと残りの予算でさらに西へ、鳴門海峡を越えて四国にリニア中央新幹線を延伸したいと思います。

リニア中央新幹線の四国延伸案、実はこれが本稿における日本列島魔改造の魔改造たるゆえんです。

日本列島改造論当時に計画が立てられたまま、いまだに建設が実現するとは思えない四国新幹線ルート。大阪を出て徳島、高松を経由して松山に向かうのが第一ルート。そして途中から分岐して南の高知に向かうのが第二ルート。そしておまけに松山から大分ないしは広島、山口を経由して福岡(博多)まで到達する誰も想定していない第三ルート。

この3本のリニア新幹線を新たに建設し日本列島を魔改造してしまいましょう。

そんなことをして日本はどうなるのか。実は二つの魔改造の効果が生まれます。

まず第一に、中央・四国・九州リニア新幹線が完成することで東京―福岡が2時間20分でつながります。

つまり東名阪と福岡がほぼほぼ瞬間移動できる一つの経済圏としてつながる。そのことで、日本の大動脈の経済活動が大きく活性化することになります。

移民受け入れで増える人口を拡散させる“改造”が必要

そして、もう一つの効果のほうが実は重要です。

新たに利便性が高まる徳島、高松、松山、高知など四国の各都市圏が、日本の新しいフロンティアの地として機能することになるのです。

日本の人口は減っていく一方だと思われがちですが、実は私は移民の受け入れにより1億4000万人まで増やせると考えています。

しかし、日本の人口を首都圏一極集中させて1億4000万人を吸収していくのでは、東京圏がさらにごみごみする上に、東京の不動産価格が高騰して庶民には住みづらい未来都市が生まれてしまいそうです。

ですから日本の人口を増やす計画は、方向性としては地方分散、地方創生が前提にあったほうがいい。実際にコロナ禍でリモートワークが進んだ関係で、地方に住みたいという人が増え始めている良い傾向が存在しています。

そこで着眼すべきことは、今よりもずっと便利な地方都市を人工的かつ同時多発的に作る魔改造です。そうなればそれらの土地は日本経済にとっての開拓フロンティアになるはずだという設計思想です。

そこで四国に注目するのです。