完成したら、JR東海に「無償で」払い下げるべき
その上でこれも日本経済活性化のためということで、完成した新幹線は無償でJR東海に払い下げましょう。
一見乱暴な話に見えますが、巨額予算をかけて無償インフラを作るというのが実は日本経済自体を魔改造するポイントです。
もともと給付金で消えるはずのお金ですから回収は考える必要はありません。ここでの最大の狙いは、リニア新幹線の乗車料金を東海道新幹線以下に安く設定することです。あくまで魔改造の目的は、日本経済復活にあるからです。
中国の新幹線つまり高速鉄道は料金の安さで知られています。ざっくり言えば日本の約3分の1の料金。北京―上海間は1万円程度で旅することができます。
「なんで安いんだ? ひょっとして適当に作っているんじゃないのか?」
と思うかもしれませんが、そうではありません。そもそも東海道新幹線が高すぎるのです。
割高の原因は、そもそも国の払下げ金額にあった
今のJRは1987年の国鉄民営化で誕生しました。当時の国鉄はほぼほぼ全線大赤字で、このままでは立ち行かなくなるということで大改革が行われたのです。
ところが実はその大赤字の国鉄路線の中でも儲かって儲かって仕方がない路線が二つありました。それが山手線と東海道新幹線だったのです。当時のこの二つの路線の営業利益率は約50%、本来であれば料金半額でも元が取れる路線だったのです。
山手線は今では首都圏や中部関西圏の私鉄と比較しても安い運賃で乗ることができる、首都圏経済の動脈インフラになっています。ところが民営化にあたり国の借金を返す目的で、東海道新幹線は思いっきり高い価格でJR東海に払い下げられることになりました。その結果が今の東京―新大阪間が1万4720円という割高な料金設定につながったのです。
東海道新幹線に限らず首都高、東名高速道路など需要が多くて儲かる路線は、他の鉄道や道路を建設する財源として国は割高な価格設定を認可しています。結果としてたくさんの道路や鉄道が建設できるという利点はあったのですが、高い価格により利用者が減れば、結果として経済の発展が遅くなります。
このままJR東海が自力でリニア中央新幹線を建設すれば、東京―大阪間の価格は東海道新幹線よりも高くなりそうです。
「価値を考えれば片道2万円で構わないだろう」
というビジネス感覚もアリといえばアリですが、ビジネスではなく国のトップの視点で考えたとしたら、東京―大阪間67分の移動が中国並みの1万円で実現したほうが日本経済の復活スピードは加速するはずです。
だからこそ魔改造で開発するリニア新幹線はJR東海に無償で払い下げるべきなのです。