「苦手だよね」と言われると、苦手と思い込む

なかなか覚えられなくて悩んでいるとき
✕ 暗記力ないよね。/暗記は苦手だよね
◯ 覚えにくいよね。工夫して一緒に覚えようか
佐藤亮子『子どものやる気がどんどん上がる魔法の声かけ 3男1女東大理三合格の母が12歳までにかけた言葉』(中央公論新社)

なかなか覚えられなくて悩んでいるお子さんに、「暗記力ないよね」「暗記は苦手だよね」といった言葉はNGです。その言葉が刷り込まれて、子どもは自分で「暗記は苦手なんだ」と思い込み、苦手意識を持ってしまいます。同様に、「注意力が足りないよね」「のんびりしていて、何をするのも遅いよね」などと、子どもの能力や性格を責めるような言葉も言わないようにしましょう。

お子さんが覚えられなくて悩んでいるときには、「覚えにくいよね」とまず子どもの気持ちに寄り添ったうえで、「工夫して一緒に覚えようか」と声をかけるといいと思います。そもそも、暗記しなくてはいけないことは今まで知らなかったことばかりなので、すぐに頭のなかに入るわけがありません。

暗記事項は「家中の壁に貼って」記憶に残す

わが家の子どもたちも、理科や社会などの暗記事項でなかなか覚えられないものがありました。私はそれらの項目を大きな字で何枚も紙に書いて、家中に貼りました。掲示物のように貼ると壁紙のように見えてしまって覚えないので、それぞれの紙をあっち向いたりこっち向いたりした感じで、少し斜めに貼りました。人間は、不規則に貼られているものは気になって見てしまうので、記憶に残りやすいのです。

また、紙に書く文字もいろいろな色のマジックで書くと楽しく覚えられます。受験の直前期には、ノートにテストで間違えた項目を大きな字でカラフルに書いて、食事の時間などに見せて知識の再確認をさせました。このほか、「一緒に10回言ってみようか」と声をかけて一緒に10回声に出して言ったり、「10回書いてみようか」と言って書かせたりするといいですね。声に出したり、書いたりすると記憶が定着しやすいです。また、覚えやすい資料を探したり、ゴロ合わせで覚えさせたりするのもオススメです。

アドバイス
子どもが一度覚えたことを忘れてしまったとしても、「せっかく覚えたのに、なんで忘れるの!」と責めないでください。忘れることを恐れずに、なかなか覚えられないことは、繰り返し繰り返し覚えさせるようにしましょう。
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