「ケアレスミス」はただの甘えである
✕ なんでこんなミスをするの?/実力はあったのに、ちょっとミスしただけだよね
◯ なんでミスをしたのか、原因を考えてみようか
よくある不注意によるミスは、記号で書くべきところを言葉で書いたり、「当てはまらないもの」を選ばなくてはいけないのに「当てはまるもの」を選んだり、「すべて」と書かれているのに「ひとつ」しか選ばなかったりといった、問題をちゃんと読まなかったことが原因の場合が多いですね。残念なミスで点数を落としたときに、つい「なんで、こんなミスをするの?」と言いたくなる気持ちはわかりますが、その言葉はぐっと飲み込んで、お子さんを責めないようにしましょう。
慰めるつもりで、「ケアレスミスがなければあと15点取れていたね」「実力はあったのに、ちょっとミスしただけだよね」などと声をかけるのはよくありません。自分の間違えたところをいつまでも「ケアレスミス」と考えているようでは人間は進歩しません。間違えたところは「不注意によるケアレスミス」ではなく、「実力不足によるただのミステイク」なのです。親が「ケアレスミス」という言葉を口にしてしまうと、子どもは「実力はあったのにちょっとの勘違いで点を落としただけ」と考えがちです。でも、本当の実力があれば、ちょっとしたミスなどはしません。「ケアレスミス」と言う時点で甘えがあるということです。
「字を丁寧に書くこと」は受験の必須事項
よくあるミスは、数字を丁寧に書かなかったために、0と6、9と7などを見間違えてしまう計算間違いです。漢字も止めや払いを丁寧に書かないと字として成り立ちませんから点をもらえません。自分の書いた文字が汚かったため見間違って、正しい答えが出せなかったら非常にもったいないことです。私は、子どもたちにはあまり細かなことは言わずに育てましたが、「字を丁寧に書く」ことだけはしつこく言っていました。
子どもたちが通っていた中学受験塾・浜学園では、小5までは「楽しく」勉強することに重点を置いて、テストで少々字が汚くても、続け字になっていても○にしてくれましたが、小6からは厳しくなり、続け字だと×になりました。
やはり受験では、当然採点者に○をつけてもらって合格しなければなりませんから、「字をきれいに書く」ことは必須事項なのです。子どもには幼い頃から「字を丁寧に書く」ことを身につけさせるよう、留意しなければなりません。
筆算でよく計算ミスをするのなら、お母さんがノートに線を引いてあげたり、方眼紙のノートを使ったりと工夫するといいですね。幼いうちに字を丁寧に書く習慣を身につけておかないと、入試の数学で字の汚さがミスを誘発して、致命傷になりかねませんよ。