子供が予防接種を嫌がるときには、どんな言葉が効果的なのか。4人の子供全員を東京大学に合格させた佐藤亮子さんは「わが家の4人の子供たちは、予防接種で泣いたことは一度もありません」という――。

※本稿は、佐藤亮子『子どものやる気がどんどん上がる魔法の声かけ 3男1女東大理三合格の母が12歳までにかけた言葉』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。

「好き嫌いがあると、大きくなれないよ」はNG

食事で好き嫌いをするとき
✕ 好き嫌いしたらダメでしょ。残さずに食べなさい!/好き嫌いがあると、大きくなれないよ
◯ それ、嫌いなんだ。嫌いなら無理して食べなくていいよ。好きなものだけ食べてね

私は、食べ物の好き嫌いがあるのは当たり前だと思っていますので、子どもたちの好き嫌いを注意したことはありません。子どもが食べて「これ、嫌い」と言えば、「それ、嫌いなんだー」と応じ、「嫌いなら無理して食べなくていいよ。好きなものだけ食べてね」と声をかけていました。

ご飯の入った茶碗を持つ子供
写真=iStock.com/Hakase_
※写真はイメージです

先日、あるお母さんから「子どもに料理を作っても、嫌いなものは残すので、子どもが好きなものばかり作っています。レパートリーが増えず、料理を作る意欲がなくなるのですが、どうしたらいいでしょうか」という質問を受けました。いろいろなお料理を食べてほしいと願うお母さんの気持ちはすごくよくわかりますが、小学生ぐらいまではお子さんが好きなものだけを食べさせてもいいと思います。だから、「お子さんの好きな定番メニューを作るだけでいいですよ」とお答えしました。

せっかく作った料理を残してほしくなくて、「好き嫌いしたらダメでしょ。残さずに食べなさい!」というのは良くありませんね。嫌いなものを食べさせていると、食事の時間が苦痛になります。さらに良くないのは、「好き嫌いがあると、大きくなれないよ」と言うことです。このように「こうしないとこうなるよ」といった声かけはネガティブで、子どもを脅すことになります。こういう声かけをしてしまう親は多いですね。

成長とともに食べられるものは増えていく

小学生までは世界が狭いですが、中学生になると友達と一緒に学校の食堂で食べたり、外食をしたりするようになります。友達が食べているのを見て、苦手だったものを食べられることもありますよ。わが家の次男はトマト、三男はマヨネーズが子どものときからずっと嫌いですが、長男は嫌いだったブロッコリー、長女は苦手だった目玉焼きの白身を食べられるようになりました。

小学生のときは中学受験で子どもも余裕がありませんでしたが、中学生になると、自宅にある料理本や漫画『美味しんぼ』を見て、リクエストされることもありました。成長とともにいろいろなものを食べられるようになりますから、あまり心配はしないで大丈夫。

子どもが嫌いなものを食べさせたいときには、好きな料理に小さく切って混ぜるなど工夫するといいですね。わが家では、長男が生まれる1年前ぐらいから、無農薬の旬の野菜や米などを宅配する「らでぃっしゅぼーや」の会員になりました。

あるとき、子どもたちが苦手な小松菜が大量に届いたので、子どもたちが大好きな餃子にひき肉1対小松菜1ぐらいの割合でたくさん混ぜました。皮に包んでいるときにはそれほど緑を感じなかったのですが、蒸すと皮が透き通り、ビックリするほど緑が目立ち、「しまったー」と思いました(笑)。でも子どもたちは、「今日の餃子、なんだかめちゃくちゃ緑だな~」と言いながらも、基本的には餃子は好きなのでみんなで楽しく食べていました。

アドバイス
子どもの好き嫌いを尊重しましょう。「残さずに食べなさい」と、嫌いなものを食べさせるのではなく、好きなお料理だけを作り、食事を楽しい時間にすることが大切。好きな料理に混ぜると、苦手な食材を食べられることもあります。