東大生の親は子供のテストをどう活用していたのか。4人の子供全員を東京大学に合格させた佐藤亮子さんは「点数はもっと気楽に考えていい。ただし、ケアレスミスには注意するべきだ」という――。

※本稿は、佐藤亮子『子どものやる気がどんどん上がる魔法の声かけ 3男1女東大理三合格の母が12歳までにかけた言葉』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。

「◯◯ちゃんは100点だったのに」は言ってはダメ

テストの点数が悪いとき
✕ なんでそんなに悪いの! ちゃんとやらなかったでしょ。/○○ちゃんは良かったのに
◯ どこで点を取れなかったのか、考えてみようか

テストの点数が悪かったときに、「なんでそんなに悪いの!」「ちゃんとやらなかったからでしょ!」などと責めてはいけません。それ以上によくないのは、「○○ちゃんは100点だったのに、なぜあなたはそんなに悪いの」などといった、他人と比較する言葉です。このような言葉をかけられた子どもは、ただでさえ悪い点数でつらいのに、さらに落ち込んでしまうことになります。

100点の算数のテスト用紙
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

点数の悪さを深刻に受け止めて、ヒステリックに怒鳴ってしまうと、子どもは親の態度に恐怖を感じてしまいます。「お母さんはいい点数だとニコニコしているけれど、点数が悪いと怒るから怖い」と思うと、悪い点数のテストを隠したり、ウソをついたり、カンニングしたりしてしまうかもしれません。

点数が悪かったら、原因を一緒に探ってみる

これでは親子の信頼関係を築くことはできません。子どもに「お母さんはすぐ怒るから怖い」と思われたら、子どもはお母さんになんでも気楽に話すことができなくなります。テストの点数が悪いときに限らず、感情的になって子どもを怒らないことが大切です。テストは一回だけではなく何度もありますから、毎回感情的になると、子どももやる気が失せますし、何もいいことはありません。子どもが「よし! 次は頑張るぞ」と思えるような前向きになれる言葉をかけましょう。

具体的には、点数が悪かった場合は、「どこで点を取れなかったのか、考えてみようか」と声をかけるといいと思います。一緒にテストを見直して、間違えた問題を解けるようにすることが大切です。見直しをした後には、「苦手なところがわかって良かったね」「間違えた問題を解けるようになったね。次は頑張ろうね」と、子どもが前向きな気持ちになれる声かけをしてあげましょう。

アドバイス
テストの点数をもっと気楽に考えましょう。テストで悪い点数を取ったとしても、見直しをすればいいのです。毎回、間違えた問題のやり直しをずっと続けていけば、少しずつできるようになるはずです。