新人指導に使える「行動科学に基づいた教え方」

最後にご紹介したいのが、第13位の『行動科学を使ってできる人が育つ! 教える技術』です。

石田淳『行動科学を使ってできる人が育つ! 教える技術』(かんき出版)

あなたは、誰かにものを教えるのが得意なほうでしょうか。もしあまり自信がないなら、本書をおすすめします。行動科学に基づいて、教える前の心得から、具体的な教え方、伝え方、ほめ方までを詳しく教えてくれる一冊です。

そのうちの一つが「分解すること」。どんな業種・職種の仕事も、多くの「行動」から構成されています。まずは教えたい行動を一つひとつ分解して、時系列で書き出してみましょう。そして、やるべきことを細かくかみ砕いて伝えていくのです。

分解の対象にするのは、その仕事で優れた成果を出している社員の行動。営業なら、成績トップの人の行動を書き出します。顧客に電話をかけるとき、最初に何とあいさつしているか。アポイントの時間より何分早く訪問先に到着しているか。初対面の担当者に対して最初にどんな話題を投げかけているか……。

行動リストを参照しながら「ここはよくできているよ。あとはここを重点的に練習しよう」などと指導すれば、育成が効率よく進みます。新入社員のOJTを行うとき、手元に置いておきたい一冊です。

今月も、話し方から時間術、FIREまで、幅広いジャンルの本がランクイン。先月第1位だった『できる人は、「これ」しか言わない』が第3位、先月第2位だった『仕事は1冊のノートで10倍差がつく』が第20位と、依然として多くの方に読まれています。来月はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。

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