ドラマだからこそ楽しめる三角関係

「鎌倉殿の13人」では、政子と婚約した頼朝が前妻の八重に再び関係を迫る場面が放送(4月3日)されたが、頼朝がそのようなことをしたという史料などは存在しない。

さらに義時が八重のことを好きだったという証拠もない。「頼朝―八重―義時」が三角関係にあったというのは、今のところ証明できないのである。

もちろん、ドラマである。例えば、義時が八重と結ばれて、泰時が生まれるという設定にするのは何も問題はない。そうした歴史の闇を、脚本家・三谷幸喜さんがどのように明るく照らしてくれるのか、私も、とても楽しみにしている。

違和感を覚えたあるシーン

ただ、毎回番組の終わりに放送される「鎌倉殿の13人紀行」(4月3日)のなかで「義時の妻となった八重」とのナレーションがあったのには驚いた。

このコーナーはドラマではなく、あくまで史跡探訪。そこにおいて「義時の妻となった八重」と確立された史実のように話すのは、いかがなものかと感じた。

せめて「一説によると」や「諸説あるが」という保留の言葉があっても良かったのではないか。

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