賢いビジネスモデルは「何かを諦めている」

【けんすう】そうですよね。めちゃくちゃおいしいと評判で、ネットでもバズっていたミスターチーズケーキというケーキ屋さんがあって、そのお店のケーキをつくるプロセスが面白いんです。

創業者のインタビューを読んだのですが、「職人さんが混ぜないといけなかったり、目で見て判断しないといけなかったりする工程はすべてなくす、わかりにくい作業工程を絶対に入れないオペレーションにする、工数がかかる計量もほとんどなくしている」と言っていて。

職人が必要なプロセスをなくしたことで、誰が作っても同じ味になるし、計量という概念をなくしたことで、プロセスにかかるコストも減らしているわけです……。しかも、チーズケーキは冷凍できるので、在庫も長く持てる。

【ひろゆき】ふつうはオーダーの量を作るけど、レシピ通りに作るために、商品を余らせる戦略なんですね。賢い。

イベント会場で話すけんすう氏(2022年3月19日 梅田蔦屋書店での対談イベントより)

【けんすう】プロダクトとしては、シェフのこだわりが詰まったおいしいスイーツなんですが、裏側のオペレーションも考え抜かれていてすごいなと。

【ひろゆき】バイトでもできるもんね。要は、「何を諦めるか」ですよね。冷凍しても品質が変わらないのなら、一般的なやり方でなくてもいいですからね。

【けんすう】こだわりの料理人だと職人しかできないものを作りがちなんですが、オペレーションやデリバリー、値段、在庫などのビジネスプロセスを考えて、そこからどうするかと逆算して作っているのが頭いいなと。

【ひろゆき】「自由になる条件が何なのか」ってことですよね。冷凍しても味が落ちないなら何個作ってもいいわけです。個数が変数として使えるわけで、何が変数で何が定数かという条件をちゃんと把握すると、手段を変えることができるんですよね。思わず、文系の人には理解されないような数学的な言い方をしてみました。そういう僕も、理系ではないのですが(笑)。(第3回に続く)

(聞き手・構成=プレジデント社 書籍編集部)
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