文系が頭が悪いと理系が得する

——最新刊『ひろゆき流 ずるい問題解決の技術』では、ひろゆきさんの問題解決メソッドが書かれているのですが、けんすう流の問題解決法は、また違ったりしますか?

【けんすう】あまり違いはなくて、同じような問題解決法が好きなタイプです。リスクが1%増えてでもコストが100分の1になるなら、そちらのほうがいいというハック的な考え方が好きですね。少しでもプログラミングの経験がある人は、同じような発想になる気がします。

西村博之『ひろゆき流 ずるい問題解決の技術』(プレジデント社)
西村博之『ひろゆき流 ずるい問題解決の技術』(プレジデント社)

【ひろゆき】エンジニアは、だいたい同じ基準で判断をすると思うんですけど、世の中の決定権を持っている人に文系が多いから、珍しい判断と誤解されてしまう気がします。世の中の選択肢って、たいていトレードオフなんですが、文系の人はトレードオフではないものを選ぼうとしがちなので。

【けんすう】確かにそうですね。たとえば、メンテナンスで1年に3日落ちるサーバーがあって、それを2日にしようとするとコストが10倍になったりするんです。でも、「1日たりともお客様を待たせてはいけないから」といって、コストを掛けているケースはよく見ますね。

【ひろゆき】システム系の会社はそういう人からぼったくるので、文系が頭が悪いと理系が得するっていう構図ですね。

お客を待たせるラーメン屋の方が繁盛するワケ

——「お客は待たせてもいい」は、ひろゆきさんがよく言っていますよね。

【ひろゆき】ラーメン屋でも、お客は行列ができている店を見ると入りたいと思うので、あえてお客を待たせて並ばせたほうが売上は伸びますよね。行列をきれいに捌いてしまうと、「この店、流行ってないんだ」と思われるので。わざと3人くらいをずっと待たせたほうがいいんですよね。

【けんすう】ファミレスでも、そうした仕組みを取り入れていると聞いたことがあります。料理が運ばれてくるのが遅いとクレームになるけれど、入口に待たせておいて、料理が出せる状況になってから席に案内すると、すぐに料理が出せるのでお客の満足度が上がるそうです。ファミレスではマニュアルになっていると聞きました。

【ひろゆき】確かに、それは頭いいね。チェーン店とか大規模なお店のマニュアルやノウハウにはすごく合理的にできた仕組みがあるので、聞いてみると面白いことが多いですね。

【けんすう】そうですね。ブックオフの倉庫を見学したことがあるんですが、細かいところまで徹底していました。通路は一方通行が決められていたり、こういう本は捨てていいとか、いろいろなルールがあって、とても合理的に動いていて面白かったですね。

【ひろゆき】倉庫のオペレーションは、すごく重要ですよね。アマゾンとかも、かなり考えてやっていますし。箱のサイズも、環境的なことを考えたら商品の大きさに合わせて選ぶのが正解なんですが、売上を重視するなら箱のサイズを気にせずに梱包したほうが正解になりますからね。