今や40代ではなく50代の親の教育費負担が最も大きい

このように教育費の負担感は非常に重いと言えるが、次は、実際の教育費を家計調査によって調べてみよう。ここでは、

「教育費」=学校の授業料・塾代など
「教育関係費」=「教育費」+制服代・通学定期代・仕送り額など

ついて、家計の消費支出全体に占める割合で教育費比率を見ていくこととする。

教育費は子どもが小さい時と大学生になった時、そして子どもが卒業してしまった時とでは負担額が大きく異なる。そこで、まず、世帯主の年齢別に教育費比率がどう変化するかを確認しておこう(図表3参照)。

34歳未満では2.6%とそれほどではなかった「教育関係費比率」は、子どもが大きくなるにつれて、30代後半には5.8%、40代前半には9.4%と大きくなる。そして、子どもが大学に通うような年齢の40代後半~50代前半の親の世帯では14.1%、16.3%とピークに達する。そして、子どもが独り立ちしていく60代前半には4.4%まで低くなり、65歳以上ではおおむね1%前後以内にまで落ちるのである。

図表3には、教育関係費比率の推移を示した。図には示していないが、実は、二人以上の世帯全体では徐々に減少の傾向をたどっている。しかし、これは二人以上の世帯のうちの教育費負担の小さな高齢世帯の割合がわが国では特にどんどん上昇しているためである。

そこで、図表4には世帯主年齢が65歳未満(青色の線)の推移を示した。2000年から2015年にかけてはほぼ9%前後で安定していたが、その後、上昇に転じ、2021年には10%を越えている。

図表4では、さらに、世帯主の年齢の中から40代と50代を選び、教育関係費比率の推移を示した。40代~50代の教育費負担は65歳未満の中でも特に大きいが、興味深いことに、40代の負担比率は2000~2021年に14%前後から12%前後ヘと低下しているのに対して、50代の負担比率は同期間に10%程度から2021年には14.4%へと急増し、40代を上回るに至っている点が注目される。

こうした動きは、一番、お金のかかる大学生の教育費負担を主に担う親の年齢が、晩婚化と晩産化によって40代から50代へとシフトしているのが大きな要因だと考えられる。

上の図表1~2でふれた子育ての経済的負担に関する意識調査は40代までの男女を調査対象としており、近年、教育費負担が急増している50代は対象となっていない。50代まで含めて調査すれば、さらに教育費の負担感の割合は大きく出てきたはずだと考えられる。