だが、ノックには以前からセクハラ疑惑が囁かれていた。この選挙の際も、運動員をしていた女子大学生が、「選挙運動中に下着の中に手をいれられた挙げ句に性器を触られた」などとして強制わいせつ容疑で大阪地検特捜部に告訴し、その後、大阪地裁が認定した。
大阪地検特捜部はノックを強制わいせつ罪で在宅起訴し、ノックは辞職する。ノックと維新の会を同一視するなと、怒る向きもあるだろう。だが、わが世を謳歌している維新の人たちも、ノックのケースを他山の石として、いま一度、自分たちのやっている行動を振り返り、後ろ指をさされることがないか、反省すべき点は何かを自らに問いかけることが必要ではないか。
3月23日に朝日新聞は、「奈良地検は22日、昨年10月の衆院選の公示前に自身への投票を呼びかける文書を配布したとして、日本維新の会の前川清成衆院議員(59)=比例近畿ブロック=を公職選挙法違反(法定外文書頒布、事前運動)の罪で在宅起訴した」と報じた。
母校の卒業生たちに、「選挙区は『前川きよしげ』、比例区は『維新』とお書き下さい。」と記載したはがきなどを送ったというのである。脇が甘すぎないか。
「東京都知事を狙っている」といわれているが…
東京都民は、今の維新が牛耳っている大阪をじっと見ている。橋下氏は、テレビのコメンテーターとして多くの番組に出演し、切れのいい辛口コメントを吐いている。
だが、威勢のいい発言が、たびたび物議をかもしていることも事実である。
橋下氏は、2016年の東京都知事選挙で出馬の可能性を報じられたことがある。そのときは本人が否定したが、たしかに、大阪と東京をおさえることになれば、自民党政権と同等の力を持つかもしれない。
だが、都知事が率いる政治集団が、国政を牛耳るための手段として、東京都を利用することに、私を含めた都民が唯々諾々と従うことはないだろう。
維新の会は原点に戻り、大阪のローカル政党としての役割を果たすことに注力し、大阪を再び活気のある街に復活させることを、地元民たちとやり遂げていくことに専心すべきではないか。
多くの地方都市にローカル政党が生まれ、成功をおさめ、そうした地方パワーが手を組んで、永田町を包囲し、攻め上がっていく。
驕り腐敗した自民党を下野させ、国民の国民による国民のための政治を実現する。その核の一つに維新の会がなるのかもしれない。そんなことを考えてみたが、時ならぬ花冷えに、春の夜の夢のごとく消え去ってしまった。