昨年1月、大阪市の調査で、建設予定地から基準値を超えるヒ素やフッ素が検出され、所有者である大阪市は、土壌汚染対策や液状化対策の費用、790億円を全額負担することを決定してしまったというのだ。

また、「この程度の額では済まない」と、阪南大学の桜田照雄教授が指摘している。予定されている人工島・夢洲ゆめしまは、商業施設が建設されることを想定していなかったため、建設残土や浚渫土砂などが大量に埋められているというのだ。

売り上げ見込みがやけに高い整備計画のおかしさ

さらなるウソは、IRが動き出すと納付金や入場料の中の一定の割合が府と市に入ってくる(年間530億円)し、関西圏に年間1兆1400億円の経済波及効果があるといっていること。

週刊文春は、IRの成功例として知られる「マリーナベイ・サンズ」(シンガポール)でも、コロナ前の入場者は年間4500万人(東京ディズニーランドは1800万人)で、売り上げは3000億円強なのに、大阪の整備計画によれば、来場者が半分なのに、なぜか売り上げは倍近い5200億円としている。これもおかしいではないかといっている。

さらに、松井市長が知事時代に「カジノが収益の中心だとはいえない」、吉村知事も「カジノだけではなくて、様々なエンターテインメントであったり、世界中から新たに人、モノ、投資を呼び込む大きな経済波及効果が見込まれる」といっているが、整備計画には売り上げの8割をカジノが占めると明記されているという。

桜田教授もいっているように、インバウンドが見込めないから、日本人がメインターゲットになるはずだ。「納付金額から逆算すると、年間七兆円の賭博が行われる。日本人だけで賄うと仮定すると来場客一人あたり六十万円強が使われる計算です」(桜田教授)。

それでなくても日本はギャンブル王国である。依存症も増えているのに、公が率先して依存症患者を増やすために、カジノをつくるというのは、私にはまったく納得がいかない。

特定のクリニックにワクチンを大量供給

「維新『最高幹部』の支援者医師が『接種2万回』濡れ手で粟の1億円!」(『週刊新潮』3月24日号)

週刊新潮は、特定の医療機関にワクチンを大量に提供していたのではないかという疑惑を追及している。疑惑のクリニックは「ただクリニック」という。ここの診療科目は「内科・胃腸科・整形外科・肛門科」で、コロナなどの感染症は専門外である。

週刊新潮が大阪市関係者から入手した内部資料によると、旭区や西成区、住之江区などの医院は、多くてもワクチン接種の回数分は9360回なのに、この住之江区の「ただクリニック」は、その倍以上の1万9890回分が供給されていた。