開店以来の目標に到達したが…
2日後は平日ということもあり、若干ペースが落ちて80台後半だった。水曜日、木曜日、金曜日と80台が続き、週末にはふたたびランチで70食、1日で110食に達した。
行列になると並ばずに帰ってしまう客がいるので、もう少し来店客は多かった可能性がある。しかし翌週になって80食まで落ちているところからすると、平日のキャパシティはこの程度なのかもしれない。
来店数と並んで反応が大きかったのが、グルメサイトのアクセス数だ。普段は100件程度しかないが、放送当日は2万件までアクセス数が上昇した。星の数が3.5を超えたのは大きい。開店以来の目標に到達した瞬間だった。
顧客の特徴で目につくのは、高齢者層が増えたことだ。テレビを見ている中心が、こういった層だからだろうか。焼きそばを食べ慣れた世代という背景もあるかもしれない。女性客も増えた。
多くの客をさばけるように、コンロを増やしたのは正解だった。客が来店してから焼きそばを作っていたのでは回らない。並んでいる客にオーダーを聞き、店に入ると同時に商品を出すには事前の準備が必要になる。下焼きをなるべく多くしておくことが重要だ。
スタッフは3人で回したが、慣れてくると2人でできなくもないという。これだけ忙しいと、スタッフがどんどん成長していくのがわかるので楽しい。
欲をいえば、平日の食数をもう少し伸ばしたい。コンスタントに70食を越えるようになっているが、できればランチで70食ほど終わらせてしまい、5時には麺が売り切れて閉店するのが理想だ。まだそこまではいかない。
思えば、黒田が意識する老舗やきそば店「みかさ」(東京・神保町)は、より高い次元で客数をさばいている。1日150食限定で、夕方に店を閉めるのは相当効率の良い運営だ。売り上げが上がってきて、はじめて老舗のすごさがわかったともいえる。(続く)