運を開くには、運気を知って行動を起こす
「継承者」としてはっきりと打診されたのは、十数年前のことです。それまでは私も家庭が大事だし、小さいころから占いの基礎的なことは聞かされてはいたものの、鑑定をするなんて、とてもできる気がしませんでした。
そして何よりも、母が経験してきたような激しいバッシングを、今のようなネット社会で受けることにも不安を感じていました。その点で母はマスコミにたたかれても、「私の信念は見る人にはわかる。言わしておけばいい。万人に好かれることはない。自分の本質をきちんと見つめ、自分の軸になる信念をしっかり持っていれば、人の言うことに左右されることはない」という考えでした。
しかし母のマネジャー的な役割をこなすなかで、これほど信頼を受け、喜ばれている六星占術の継承を断ったら、母が情熱を注いで積み上げてきたものが途絶えてしまうと思い、35歳のときに母の願いを聞き入れ、後継者になる決心をしました。以来、母と常に行動をともにし、それまで以上に六星占術を学び、16年に正式な継承者になったのです。
占いは、自分の運気のサイクルを知ることができます。その運気を知って行動を起こすからこそ、運が開けるのです。どんなに運気のサイクルが良くても、何もしなければ、当然、何も起こることはありません。占いは統計学です。占いに一喜一憂してはいけません。最終的には自分が決断することだからこそ、本人の「心」が大切になるのです。
占術家
「六星占術」で人気を集め、「地獄に落ちるわよ!」といった発言など、強烈なキャラクターで一世を風靡した細木数子さん。飲食店経営など実業家として活動後、占術家に。1980年代に出した占いの著書がベストセラーとなり、「六星占術」ブームが起き、テレビで「視聴率の女王」とも呼ばれた。2021年11月、83歳で死去。