のけぞるリアクションは小さくてもいい

③のけぞる(驚き、感嘆)――「本当ですか! びっくりしました」のサイン

身体を前に乗り出すのは興味や関心を示す動作になりますが、その逆で身体を後ろにのけぞらせると、それは「驚き」や「感嘆」を表現するサインになります。ただ、そんなに大げさにのけぞる必要はありません。

「え、そうなんですか」「あ、なるほど」というタイミングに合わせて、上半身を少しだけ後ろに傾けるくらいで十分です。このとき「はっ」と息を呑むようにすると自然な感じに。そのあと身体を戻してから再び身を乗り出し、「それで?」とさらに先を促す。

これだけのちょっとした動作で、相手の“話す気”はぐんと高まります。

小さくても身体のリアクションを交えることで、「自分はその話がおもしろくて引き込まれている」という印象を与えることができます。話をする側は、心のどこかで「この話、おもしろいかな」「つまらないと思われていないかな」という不安を抱えているもの。

それに対して、身体を使って目に見えるように驚きや感嘆のリアクションを示せば、話し手は自分の話に手応えを感じ、その不安も解消されるでしょう。相手を「もっと話して大丈夫」という気持ちにさせる。これもリアクションによる心遣いなのですね。

おもしろい話の主導権を握っているのは聞き手側

会話を楽しく、ポジティブに盛り上げるためのリアクションとして欠かせないのが、「笑う」という反応です。

そんなに上手なジョークなど言えない、ウケる話などできないという人もいるでしょう。でも、それでかまいません。ここで申し上げているのは、あくまでも「リアクション」です。つまり、相手を笑わせるのではなく、相手の話を聞いたこちらが笑うということ。自分が「笑う」のはそう難しいことではありませんよね。

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ジョークを言うとき、その人は大なり小なり「スベッたらどうしよう」「ウケなかったらカッコ悪い」という不安とリスクを背負っています。そこで、「何それ、寒っ」「全っ然、おもしろくない」「はぁ?」などと反応されようものなら、一気に失意のどん底に突き落とされてしまうでしょう。

話が本当におもしろければ、爆笑すればいい。でも、たとえ相手のジョークがイマイチでも、シラケて黙り込んだりせずにウケてあげる、笑ってあげる。相手がリスクを冒して投げてきたボールをスルーしない。それは会話における大人の礼儀だと思うのです。

おもしろい話というのは、話し手ではなく聞き手が主導権を持ってつくり出すものだと思います。「アハハ、それ、おもしろい」「ハハハ、うまいこと言いますね」聞き手が笑えば、話し手も気分がよくなります。笑いを共有することで、場の空気が軽くなります。笑うというリアクションは、それだけで会話に楽しさという弾みをつけてくれます。

ですから、多少ジョークがつまらなくても、笑顔で反応してあげましょう。