恋心も、食欲も無理に抑えてはいけない

これでおわかりいただけたと思いますが、やせ薬がないのはここに理由があります。

かつて、脳の報酬系に働きかけて食欲を制御する薬が、欧米で一時期使用されていたことがあります。しかし、これらの薬にはなんと「自殺を増やす」副作用があったのです。原因は、食欲を制御する薬は、報酬系回路、つまり快感を抑えてしまう作用が働いたからです。

下村健寿『オックスフォード式 最高のやせ方』(アスコム)

恋をしたり、何かを楽しいと思ったりする気持ちを抑えたり、そして食事をする欲を抑えることは、ひいては生きる喜びを奪ってしまうことにつながりかねません。

食欲が抑えられてダイエットに成功しても、「生きているのがイヤ」になったり、健康を害しては元も子もありません。

拙著『オックスフォード式 最高のやせ方』では、今回紹介した食事制限ダイエットがうまくいかないより詳しい解説から、各種流行しているダイエットの落とし穴、やせるために必須の知識、そして私が様々な医学的エビデンスや各種ダイエット法の失敗例をもとに辿りついたダイエット法を紹介しています。

ぜひ拙著も参考にしていただきながら、ダイエットの成功を果たし、みなさんが長く健康で楽しい人生を送られることを願っています。

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