なぜ多くの人はダイエットに失敗してしまうのか。福島県立医科大学の下村健寿主任教授は「ダイエットに失敗する人たちは食事制限をしている。それでは成功するはずがない」という——。
※本稿は、下村健寿『オックスフォード式 最高のやせ方』(アスコム)の一部を再編集したものです。
これまでのダイエットは失敗するようにできている
いままで話題になったダイエット法はたくさんあります。そして、そのすべてのダイエット法は部分的にはよく効きます。
「部分的」というのは、「体重が減る」ということに限定して考えれば、「短期間で見ればすべて効果がある」ということです。
問題点はふたつ。
ひとつ目は、「体重は減るが、健康を害する」ということ。
せっかく体重が減っても、体力も落ちてやる気がなくなってしまったり、病気になって寿命が縮んだりしてしまっては、元も子もありません。
そしてふたつ目は、すべてのダイエットに共通している問題。「いったんダイエットに成功しても、減量した体重を維持できない」ということです。いわゆるリバウンドです。
2020年に「British Medical Journal」誌にて、「糖質制限ダイエット」などいままでに提唱された代表的な14のダイエット法の効果を検討した論文が発表されました。
その結果、ダイエット開始6カ月の時点では、すべてのダイエットに体重減少効果があったことが確認されました。
しかし、そのすべてのダイエット法において、1年後にはその効果がなくなっている……つまりリバウンドしてもとに戻っていたことが確認されています。
ダイエットを成功させるためには、まず「過去から学ぶこと」が大切です。「過去に学ばない者は、過ちを繰り返す」という格言があります。それはダイエットに関しても同じなのです。
今回は拙著『オックスフォード式 最高のやせ方』より、あなたがこれまでトライしてきたダイエットはなぜ成功しなかったのか、解説いたします。