「彼は一番いいポジションですよ」

大臣としては分科会や有識者会議、諮問委員会、アドバイザリーボード等の場で、オフィシャルな発言として言って欲しかったのだ。なにしろ、尾身氏らはそのいずれの委員やメンバーでもあるのだから。

岡田晴恵『秘闘 私の「コロナ戦争」全記録』(新潮社)

大臣は続ける。「だいたい、岡部先生、彼は一番いいポジションですよ。泥はぜったいかぶんない。尾身先生は目立つから言われるけど、岡部先生だって、ずっと楽観視だった。『大丈夫、大丈夫』って、内閣官房参与が総理に言っていた訳ですからね」私は、やはり岡部氏が「大丈夫」と上に入れていたのかと嫌気がさして、つい大臣に本音をぶちまけた。

「そんなふうに専門家が政治的にやっていたから、この国の意思決定がおかしくなったのじゃないですか」大臣は答えた。「いや、政治に長けた専門家を選んだってことがダメだったんだ。僕から見たら、どっちもどっちだよ。この30年、厚労省が岡部先生を重宝してきたんだ」

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