おかげさまで最近では、霞が関働き方改革推進チームのファシリテーター(議論の進行役)として全省庁での働き方改革の推進のお手伝いをさせていただくなど、働き方のコンサルタントから働き方改革推進のコンサルタントとしての活動のほうが多くなってきています。
10年前に1人で働き方コンサルタントを名乗り始めた当時からチームメンバーも増えました。2017年、コクヨの中に新しく働き方改革関連ビジネスを担う部門が設立されるとそこに参画して、年々数割の成長率で拡大していく組織の一翼を担わせてもらえるようになりました。ある意味、社内からも「買われた」と言えるかもしれません。
オフィスの消灯、フリーアドレスなどで本当に変わるのか
日本中で働き方改革がブームになり、提供メニューも増えて組織も大きくなり、やれることがどんどん広がっていく中で、しかしながら私の中で変わらない信念のようなものがあります。それは、「働き方改革とは、自分で自分の働き方(仕方)を変えることから始まる」という考え方です。
近年、日本中が働き方改革を掲げ、「仕組み」を変えようと躍起になっています。オフィスの照明を消灯して早く帰そうとしたり、ITツールを導入して使わせようとしたり、オフィスを変えてフリーアドレスにしたり、フレックス制度や副業制度を導入したり。しかし、それでは本質的に働き方を改革することはできないと思います。
私が考える働き方改革とは、自分の仕事の仕方を自分自身で見直すことです。そして、もし自分だけでは変えることができないような大きなプロセスや習慣であっても、周囲に働きかけて変えようとすることです。いわば、「私のための私による『私の働き方改革』」です。
世間では働き方改革の大義名分として、組織の競争力強化とか法令順守、顧客満足向上、社会の進化、従業員のワークライフバランスなどの言葉が掲げられています。これらのスローガンはいずれも目線が国とか会社(組織)になっています。もちろん、これらのスローガンも大事なテーマです。しかし「私の働き方改革」において最も重視すべきは「私はどう変わりたいのか」「そう変わるためには何をすればいいか」だと思うのです。
そうした問いに向き合い、いろいろと変えてみることは自分自身にとってとても楽しいエンターテインメントであると私は信じています。いえ、信じているというより、過去の経験から自分で自分の働き方を改革することは「楽しいと知っている」のです。