世の中にマジョリティーをつくってはいけない

企業でダイバーシティや男女平等を進めるには、皆がマイノリティーの立場にある人の思いを理解しておく必要がある。だが、一般的にはそうした立場を経験したことがある男性は少なく、その傾向は立場が上の人ほど強い。

その点、谷内さんは海外赴任先では数少ない日本人の一人として、また子どもの学校行事では唯一の男親として、マイノリティーの立場を経験してきた。企業の風土づくりには、トップにそうした経験があるかどうかも大きく影響するのではないだろうか。

「あらゆる人々のハピネスを実現するには、皆が何かしらマイノリティーの立場を経験したほうがいいのではと思います。今の段階では、男性の育休や家事参加もそうした経験のひとつ。そうすれば、多様性も相互理解も進んでよりよい社会になるはずです。世の中にマジョリティーをつくってはいけない。育休を経験後、より強くそう思うようになりました」

(文=辻村洋子)
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