「教会離れ」の受け皿のひとつが半世紀前まで存在しなかった仏教

欧米における教会離れの受け皿のひとつになっているのが、仏教である。米国では半世紀前まではほとんど存在しなかった仏教徒の割合が近年、増えてきている。

アップルやグーグルなどで「瞑想」が取り入れられてきた影響もあり、「マインドフルネス」や、「禅」、あるいは最近では「念仏」などに精神性を求める傾向がみられる。インターネットを通じて、仏教の教えに触れる「ナイトスタンド・ブディスト」という人々も増えている。

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だが、欧米における仏教はまだまだマイナーな宗教であり、教会を離れた人々は「無宗教者」に転じるケースがほとんどだ。

欧米における無宗教者の拡大や、全世界的なイスラム教の広がりは良くも悪くも、国際関係に影響を与えそうだ。確かに経済面ではメリットもある。ムスリムを対象にしたハラール食品やファッションなどのマーケットの拡大が予想できる。

一方で、歴史的にイスラム教はキリスト教との対立関係にあり、宗教的価値観の違いによる摩擦が生じないとも限らない。また、女性に対する人権や教育、社会進出、あるいは表現の自由などが制限されているイスラム教の国家もあり、課題は少なくない。

グローバルな宗教変動が起きている一方で、日本の宗教は当面は安定的に推移すると予測できる。

現在、日本人の信仰は仏教徒が8500万人、神道が8900万人、キリスト教徒が190万人、諸宗が740万人だ(文化庁「宗教年鑑 令和2年」)。

人口1億2500万人にたいし、宗教人口が合計1億8330万人になっているのは日本人の多くが仏教と神道を掛け持ちしているからである。地域の寺の檀家であり、氏子であるといったふうに。

その日本において、中長期的な宗教人口の増減を予測した調査は存在しない。だが、NHK放送文化研究所が実施している宗教に関する調査をみれば、「信仰している宗教」は2008年調査と2018年調査では男性が3ポイント増、女性が5ポイント減であり、さほど大きな変化はみられない。

日本は今後、本格的な人口減少の時代に入るとはいえ、信仰形態は仏教と神道のハイブリッドである状態が当面は続くと考えられる。

日本でも「寺離れ」「無宗教化」が叫ばれ続けているが、欧米の教会離れに比べればまだ楽観視できるレベルである。世界を見回しても、宗教動静が極めて安定しているのが、日本なのだ。

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