女性の参画率を40%~50%に

連合や傘下の組合ではポジティブアクションの一環として「女性枠」を設けている。芳野さんも就任後の記者会見(10月7日)でこう述べている。

「女性枠の中で経験した女性が今度は女性枠から外れて、構成産別や加盟組合の主たる任務を担っていく。三役になっていくことが実現できれば連合の役員ももっともっと女性が増えてくると思いますし、女性枠がいらなくなる組合活動になっていくと思います。最終到達点は女性枠をなくして自然発生的に男女比率に応じた形に持っていく。国際的には女性の参画率を最低40%~50%を狙っていく動きにあるが、連合もそこに遅れを取らないようにしていきたいと思います」

女性同士が労使交渉をする春闘はいつになるか

海外の産業別労働組合では役員の一定割合を女性が占めるクォータ制を導入しているところもあれば、会長と事務局長が同じ性であってはならないという規約を設けている組合もある。芳野氏は連合の定期大会の挨拶で「ガラスの天井を突き破る」と宣言している。常時三役登用の実現は連合本部に限らず産別労組や個別組合の女性の活躍を促す意味でも重要だ。

一方、民間企業は「課長相当職以上」に女性が占める割合は9.7%。課長相当職は10.1%、部長相当職は6.2%と徐々に増えているが、低迷したままだ(厚生労働省「2020年度雇用均等基本調査」)。

一層の女性活躍を推進することで、いつの日か人事担当役員など経営側の女性役員と労働組合の女性執行部が労使交渉を行うことになると、これまでの男性中心の春闘の風景とは大きく変わるだろう。

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