「私は親切だ」という雰囲気
4.君のためを思って
「営業職なら、絶対この本読んだほうがいいよ。読んでないとかあり得ないから」
「えー! ウニ食べられないなんて、人生の半分損してるー」
……親しくもない人からいきなりこう言われると、気持ちがザワザワしませんか?
急かされているような、責められているような居心地の悪い気分。正直、「放っておいてほしいな」と思いますよね。でもこういう人に限って、放っておいてくれないんです。
「いや、君のためを思って言ってるんだよ」
「悪いことは言わないから、試してみなよ」
と、あたかも「あなたのために言ってる私は親切だ」という雰囲気を出してきます。そうすると、あなたも「せっかくの親切をスルーしちゃいけない……?」と自分を責めてしまったり。
ただのエセ親切押しつけに過ぎない
でもですね! こういう人って別に、親切で言ってるわけではないんです。単に言いたいだけ。単に自分の好み・感想を押しつけたいだけ。それなのにまるで「親切アドバイス風」に言ってくるから、モヤモヤしてしまうんです。
それならいっそのこと、
「一緒に語りたいから、この本読んで、お願い!」
「ほんとに美味しいから、このウニ食べてみて! 頼む」
ってまっすぐ言われたほうがよほどスッキリしますよね! そうしたら「じゃあ、試しに……」とうなずく気にもなります。
ですから、もしこの手の「エセ親切押しつけ」に遭遇したら、すかさず心の中でこう唱えましょう。
「あ、はい、それって、あなたの感想ですよね」
「へー、あなたはそうなんですね。でも、私はそうじゃないんですー」
よく、健康食品のCMで「個人の感想です」っていうテロップ出てきますよね。あれです。あれを相手の顔の下にこっそり表示するイメージ。するととたんに、「あやしい……」と思えて、「あ、だいじょうぶです」と言えるでしょう。断るときにも心が痛まないはずです!