人は必ず死ぬ、そして同じ“死”はない

【佐々】ストレス発散として、泣くために悲しい音楽や悲しいドラマを観るっていう人がいますよね。

でも、私はわざわざ落ち込むためにそうした音楽やドラマを観る気にはなれませんでした。そもそも悲しいドラマよりも、自分の目の前にある現実の方が上回っているんです。そして、その重みを抱えることなんてできません。

「Yahoo!ニュース/本屋大賞 2020年 ノンフィクション本大賞」受賞作。「看取りのプロフェッショナル」である訪問看護師の友人が癌に罹患。彼の最後の日々を主軸に、著者の母を自宅で看取った経験など終末期医療の現場に寄り添い続け、まとめられたノンフィクション。様々な死の迎え方について、深く考えさせられる一冊。

【原田】医師も同じです。患者さんの苦悩を全部抱えていたら、やってられないです。ドライじゃないと、毎日現場をこなせない。

【佐々】若い頃だったら意地悪な言葉を言われたり、誰かに嫌われたりすると、何が悪かったんだろうって悩むじゃないですか。でもどうにもならないことがある。

現実はそうなんだと、右から左に流すしかない。ただ、聞くしかなかった。そうした意味では、私の取材はカウンセラーの仕事に似ていたかもしれません。

【原田】当たり前のことですが、人は必ず死にます。しかし、同じ“死”はない。最期は、自分らしく死にたい。

自分らしく人生に幕を下ろせば、本人もご家族も幸せ。その意味で、佐々さんに最期を伴走してもらった森山さんは幸せだったんだろうなと思いました。

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