ときには握手だけで口座を開設
6.口座最低入金額の引き下げ
ほとんどの他の銀行は口座開設に1ドルよりかなり多くのお金が必要だった。バンク・オブ・イタリーは、だれでも口座を開きやすくした。少額預金者が増えると、銀行のリソースも増えた。でもそんなにたくさん少額の顧客がいると、開設手続きをすばやくする必要があったので、どうしても必要になったのが……。
7.簡単な融資審査
バンク・オブ・イタリーの口座で必要な書類作業は、他の銀行よりはるかに単純だった。特に地震と火事の後では、ときには握手だけでよかった。ジャンニーニはときには、書類も信用審査もなしに知り合いに融資した。支店長たちは、ただの数字以外のものに基づいて融資する権限があった。その人物の人柄も考慮できる。でも親切な職員がいても、言っていることを理解してもらえないと話にならないので、どうしても必要になったのが……。
8.多言語の窓口係
こうした新規顧客の多くは移民であまり英語がしゃべれなかった。バンク・オブ・イタリーには顧客の母語をしゃべれる窓口係がいた。でも鉄格子とガラスの向こうの人と話すのはむずかしい――それにおっかない――ので、どうしても必要になったのが……。
住宅ローンを先がけて開始
9.開放型のフロアプラン
バンク・オブ・イタリーの支店の中は開放的で親しみやすかった。窓口係やマネージャーは、鉄格子の向こうにいたり、特別フロアに鎮座していたりはせず、すぐそこにいた。A・Pはいつも自分のデスクを銀行のいちばん前に出していた。親しみやすい場所でみんなが訪れたがったし、しょっちゅう来たから、どうしても必要になったのが……。
10.開店時間の延長
バンク・オブ・イタリーは、人々の生活にあわせた開店時間にしていた。ほとんどの働く人々は、通常の銀行の開店時間には仕事をしているから、ジャンニーニは顧客のスケジュールにあわせた。バンク・オブ・イタリーが1907年8月1日に初の店舗を開店したとき、夕方にも日曜日にも開業していた。口座を持つ家族が実に多くなったので、彼らはほとんどの家族が持つ最も重要な資産を考慮せざるを得ず、提供がどうしても必要になったのが……。
11.住宅ローン
バンク・オブ・イタリーは、それが当たり前になる以前から人々の住宅を抵当にお金を貸した。これは新規の住宅購入者に役立っただけでなく、不動産関連事業の建設業者から家具屋まで万人にとって有益で、そういう人もバンク・オブ・イタリーの顧客だった。住宅担保融資があまりに成功したので、じきに手を広げたのが…… 。