②家事を「見える化」する

次に「すべての家事」を洗い出します。

「名もなき家事」は、数えきれないほど存在しています。「気づかない」「やらない」「感謝しない」といった「3ない」を引き起こし、夫の「担当外は意識外」の元凶になっていますから、家事の総量を「見える化」するのです。

日々発生するルーティンのような家事、季節ごとの衣替えや網戸掃除など、頻度の低いものまですべて書き出します。子どもがいるご家庭なら、学校からの手紙のチェック、PTA関連の仕事、学用品の調達、各種のワクチン接種のスケジュール管理といったタスクも洗い出します。

どれだけの量をだれがどのくらい負担してきたのか、夫婦で認識を共有します。

③担当する家事を決める

「見える化」した家事内容を、夫・妻がそれぞれ得意な分野に振り分けて担当を決めます

その際に、このタスクをどこまでやればOKなのか「ゴール基準」も確認しておくと、のちのちトラブルを予防できます。たとえば「洗面台の掃除はしたけれど、排水溝のゴミがそのまま」といった問題への対処です。

ただし、ゴール基準は甘めにして、担当を決めたら「任せ切る」ほうがうまくいく場合が多いといえます。

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④「やらない家事」を決めれば負担は激減する

夫婦双方の負担軽減に効果的なのが、「やらない家事」を決めることです。

よく相談を受けるのが、「頑張ればできるのにしないなんて、サボっているように感じてしまう」という妻たちの罪悪感についてです。私はいつも「家事を軽減させるのは、妻のためだけではないのですよ」とお伝えしています。

世界一の女性労働力を誇るノルウェーでは、男性の育休制度をはじめ、家庭・育児をサポートする社会の仕組みが充実しています。家事代行や調理済みの料理を家庭に配達する「ミールデリバリー」など、家事をアウトソーシングする習慣が当たり前に根づいています。

そんなノルウェーのデータを見ると、家庭の家事の負担を軽減することと、幸福度の高まりは明らかに連動しています。ですから、家事負担の軽減は、妻だけでなく、夫や子どもたちも含めた家庭全体の幸せの底上げにつながっている、と考えてほしいのです。