試しに、月曜日から金曜日までの夕食をデリバリーやテイクアウトで楽しんでみてください。余裕があったら、お気に入りの食器に盛り付け直してもいいでしょう。
仕事後の夕食作りは、後片づけまで含めると思いのほか重労働ですから、軽減できると驚くほど余裕が生まれ、家庭の雰囲気もゆるみます。ぜひ試してみてください。
また、苦手な家事、時間の融通が利かない家事については、自分たちがやる以外の方法を模索してみてください。各種サービスを利用するほか、いまは便利な生活家電がたくさんあるので、それらに頼るのもありでしょう。
夫婦それぞれに「ゆずりたくないポイント」もあるでしょう。やらなくてもよいこと、やりたいことのすり合わせは丁寧に進めましょう。とはいえ、「人生で最も忙しい時期だけのアウトソーシング」「限定期間の手抜き」と、互いにある程度“割り切る”ことも大切です。
⑤楽しむ工夫をプラスする
家事は面倒でやりたくないもの——このイメージが、夫婦関係悪化の最たる原因だと私は感じています。夫婦間で「面倒の押し付け合い」の構造を生まないために、ぜひ家事を楽しむ工夫を取り入れてください。
「好きな音楽をかけて歌いながら料理をするのが楽しみ」「オーディオブックで好きな小説を聴きながら掃除をしていると、無心で作業に没頭できる」という方がいます。また「夫婦2人でキッチンに立って、おしゃべりしながら料理をするのが楽しみ」というご夫婦もいました。
おいしいスイーツを用意して、「掃除が終わったら食べよう!」と夫婦や親子で掃除&ごほうびをゲーム感覚で楽しむのもよいでしょう。
夫婦関係をよりよく変えるチャンスに
家事は、日々の生活において重要なイシューです。突然訪れたコロナ禍で、家庭内での家事のあり方がフォーカスされるようになりましたが、見方を変えれば、これはよい変化をたらすチャンスでもあります。
仕事・家事・育児に悩める日本の夫婦が少しでも楽になるようにとの思いから、今回『暮らしが本当にラクになる! ベアーズ式家事事典』を上梓しました。
家事が楽になったり、上手にできるようになるためのさまざまな知恵と工夫を網羅していますので、「夫婦会議」の一助に活用いただき、笑顔溢れる夫婦関係を築いていただきたいと切に願っています。