成功者はみんな図々しいくらい周囲を巻きこんでいる

僕より経営の才能があるビジネスマンは少なくないだろうけど、人を巻きこむ熱意は誰にも負けない。「欲しい」と思えば必死で口説き倒し、スタート時はお金が少なくても事業拡大に必要なら、人をどんどん増やす。「うちで一緒に働いてくれない?」という呼びかけは年中、行っている。緊急事態宣言下でも変わりない。

厳しい時代に推進力となるのは、他人を巻きこむ力だ。ゆめゆめ、受け身になってはいけない。巻きこまれる意識でいると、自粛ムードなど根拠はないのに、強制力のやたら高い圧力に抗えず、時間とやる気を搾取されるだけだ。

人を巻きこみ、ルールを変える側に立とう! 僕の知り合いで成功している人は、みんな図々しいくらい周囲を巻きこみ、独自のルールで大きなビジネスを回している。

『えんとつ町のプペル』が成功した理由

最近とりわけインパクトのあった成功例は、絵本作家で芸人の西野亮廣くんだろう。自身が原作を手がけた『えんとつ町のプペル』が、出版だけでなく映画でも社会現象を起こしたのは、みんな記憶に新しいはずだ。

堀江貴文『破戒のススメ』(実務教育出版)

2021年の日本アカデミー賞・優秀アニメーション作品賞を受け、観客動員数150万人、興行収入20億円以上を記録した。マンガ原作ではない長編作品では、アニメ史に残る快挙だ。国内のみならず、海外の映画祭でも続々上映されている。

成功を支えたのは、もちろん作品の完成度もあるが、西野くんのオンラインサロンのメンバーによる地道な広報・宣伝活動が大きい。誰に強制されるでもなく、数万人の会員たちが全国各地で劇場に足を運び、作品の面白さを広く発信した。映画にヒットの法則はないと言われるが、結局のところ、口コミの力は最強なのだ。

『えんとつ町のプペル』は、西野くんの他人を魅了し、巻きこむ力が存分に発揮された成功例といえる。次回作以降で、ディズニーを倒す! という壮大なゲームを、彼はクリアしてしまうかもしれない。

他人を巻きこむ力が連鎖していけば、揺るぎなかった常識もいつか覆せるのだ。

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