違法の疑いがある広告が作成される流れ

筆者は、このレコメンドウィジェット広告と、その運営会社に注目している。なぜならば、レコメンドウィジェット運営会社が違法広告の構造を担っていると考えているからだ。

前回の記事で解説したとおり、アドアフィリエイトは違法の疑いがある広告だらけだ。

アドアフィリエイトでは、アフィリエイターが広告枠を買って自サイトへ集客し、アフィリエイト報酬を得る。その広告枠に、レコメンドウィジェット広告が使われる。

アドアフィリエイトを使った違法広告の作成・表示の流れを図表1で示す。

筆者作成
【図表1】違法の疑いがある広告の作成・流通の流れ

まず、商品のメーカーが、アフィリエイターや広告代理店へ広告を依頼する。アフィリエイターや広告代理店は、レコメンドウィジェット運営会社を介して、ウェブメディア運営会社の広告枠を買う。

このうち、商品のメーカー、アフィリエイターや広告代理店、ウェブメディア運営会社は無数にある。おそらく数千社以上だろう。一方、レコメンドウィジェット運営会社は、筆者の知る限り日本国内には20社程度しかない。

メーカーや広告事業者に行政指導を行っているが…

これまで行政は、商品のメーカーや広告事業者の検挙や指導に力を入れてきた。しかし、実効性は薄いと感じる。商品のメーカーも広告事業者も、簡単に潰して新しい会社を作れるからだ。

広告事業者としての会社を潰して作り直すことは簡単だ。広告事業はパソコン1台あれば業務が成り立つ。商品のメーカーを作り直すことも、同様に簡単だ。多くのメーカーは製造をOEMしており、生産設備を持っていないことが多いからだ。

それに対し、レコメンドウィジェット運営会社は数が少ない。日本国内では20社程度だ。それらの会社が、数千単位で存在するメーカーや広告事業者たちを束ねている。

違法の疑いがある広告が大量に存在する現状を打破するには、レコメンドウィジェット運営会社にアクションを起こすべきだ。筆者は、そう考えている。

レコメンドウィジェットに表示される広告は、薬機法や景品表示法に違反のおそれがあるケースが多い。この2つの法律について簡単に解説する。