「抗体カクテル療法」は病院でなければできない

最近、ワクチンと並んで菅首相の発言からよく出てくるのが「抗体カクテル療法」だ。新型コロナウイルスに対する抗体を体内に作り出す、2種類の薬を混ぜて治療するもので、菅首相は「デルタ株による急激な感染拡大の中にあって、軽症や中等症の方が重症化するのを70%防ぐと言われている。極めて対策として大事だ」と評価する。

だが、2つの薬はいずれも経口投与ではなく、点滴投与だ。このため医療施設でないと扱いにくい。新たに施設を設けたとしてもそこには医師や看護師が必要になる。菅首相はこの根本的問題をどう乗り越えるつもりなのか。

一方、ワクチンは一時、供給が需要に追い付かず、不足という事態が表面化した。抗体カクテル療法が登場する前は、与党内でも「1本足打法」と批判された。菅首相の頼りがワクチンしかなかったからだ。このワクチン、菅政権は10月から11月にかけて希望者全員の接種が終わると判断しているが、果たしてその思惑通りに進むだろうか。

首相官邸のホームページが「感染拡大を最優先に」とミス

ところで、政府は8月18日に首相官邸のホームページで菅首相の17日夜の記者会見の要旨を公開した。しかし「感染拡大を最優先に」と誤った文言を掲載していた。内閣広報室はメデイアからの問い合わせでこのミスに気付き、「感染拡大の防止を最優先に」と「防止」の言葉を入れて修正したが、なんとも注意力が散漫で呆れる。

この記者会見で首相は衆院解散・総選挙のタイミングに自ら触れ、「選択肢はだんだん少なくなってきているが、その中で行っていかなければならない」と解散に言及した後、「(それでも)最優先すべきは新型コロナ対策だ。いずれにしろ感染拡大を最優先にしながら考えていきたい」などと話した。

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「感染拡大を最優先に」は菅首相の言い間違いだ。菅首相はその間違いに気付かずに記者会見を続け、首相官邸のホームページにはそのまま掲載された。

菅首相の言い間違いは聞いていれば分かるし、重大な過ちではないと思う。しかし、ホームページにそのまま間違いを文章として載せるべきではない。こうしたミスが出るのは、菅政権自体がほころびかけてきているからだ。