トヨタの会議から仕事術を学ぶ

続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。第5位は『トヨタの会議は30分』でした。

山本大平『トヨタの会議は30分』(すばる舎)

新型コロナウイルスの感染拡大によって働き方が変わるなかで、「出社しなくても仕事は回る」「オンラインでも十分なコミュニケーションがとれる」などの気づきを得た方は多いでしょう。その結果、より効率的な働き方を追求する人もまた増えたのではないかと思います。

そんな今こそ、本書をおすすめします。世界を代表する企業であるトヨタでは、「会議は30分」が徹底されているのだそう。30分という区切りの中で直接的に意見を出し合い、議論を重ね、素早い意思決定を行っていくのです。

著者は、社会人になって5年以内の若手にこそ本書を読んでほしいといいます。会議を短く終えるべき理由だけでなく、会議を効率的に進行するコツ、資料作成のポイント、理不尽な相手に対応する方法など、すぐに役立つノウハウが満載なので、これを一冊読めば社会人として確実にレベルアップできるでしょう。仕事の成果を上げるために、できるだけ早いうちに読んでおきたい一冊です。

人生が短いのではなく、われわれが短くしている

第7位の『人生の短さについて 他2篇』にもご注目ください。

セネカ『人生の短さについて 他2篇』(光文社)

本書は、ストア派の哲学者であるセネカによる3つの文章を収録した一冊です。特に「人生の短さについて」はよく知られており、タイトルだけは知っているという方も多いのではないでしょうか。ハードルが高いように思えるかもしれませんが、親しみやすく実践しやすいテーマなので、ぜひこの機会に読んでみていただければと思います。

私たちは日々、忙しく過ごしています。あっという間に毎日が過ぎてしまい、年末のたびに「どうして1年間はこんなに短いのだろう」と嘆いている方もいるでしょう。

セネカはそんな私たちに、「われわれは短い人生を授かったのではなく、われわれ自身が人生を短くしているのだ」と指摘し、人生が終わろうとしているときにようやく生き始めるのでは遅すぎるといいます。「余裕ができたら勉強したい」「退職したら旅行しよう」といっても、そのときまで生きていられる保証はありません。であれば、やりたいことは今すぐにでもやってみたほうがいいのではないでしょうか。

さまざまなものに追いたてられるように生きる私たち。本当に有意義な人生を送るにはどうすればいいのか、考えさせられる一冊となっています。