「グランプリ1位」をうたう危険性

最後にもうひとつ、重要なポイントがある。最近、各地で唐揚げのコンテストやコンクールがさかんに行われるようになった。

画像=オヤマ プレスリリースより
2018年に開催された「からあげフェスティバルNo.1決定戦」会場の様子

消費者が初めての店や商品を選ぶとき、深層心理に「失敗したくない」という気持ちがある。グランプリやコンテストで優勝したなどの「タイトル」があれば、失敗しないだろうという安心感をもたらし、訴求力がある。だから、PRによく利用される。

ただし、繰り返しの購買につなげたい場合には逆効果になることが多い。「金賞受賞!」と大きくうたわれれば買う側の期待が自然と高まり、結果として食べたときに「そこまででもない」という評価を生みやすくなってしまうからだ。

いかに期待させない店構えをつくるか

繰り返し購買をさせ、長期的に繁栄するためには、いかに期待させず食べてもらい、事後評価を上げるかが重要になる。グランプリうんぬんにこだわりすぎない店作りをすることは唐揚げ店の課題になってくる。無名な店であるほど、ださいくらいの店構えで自画自賛しすぎず、期待させない店作りが大切なのだ。

基本的に消費者はおいしい店や唐揚げを食べたいのではなく、いろいろな店や唐揚げを食べ歩きたい。いわゆるイノベーターやアーリーアダプターと言われるような目が早い人たちに「このお店は自分が見つけた」という感覚を持ってもらえれば、情報発信にもつながりやすくなる。

使用している鶏肉の銘柄や油へのこだわりををうたっているかどうか、どんな店構えにしているか、ぜひいろいろな店を調べたうえで、食べ比べてみてほしい。

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