「かつや」のアークランドは唐揚げ店2ブランドを運営
こうした背景から、唐揚げ業態に進出する飲食チェーン企業は後を絶たない。
そもそも唐揚げブームが加熱したきっかけは、2014年12月19日にアークランドサービスホールディングス株式会社が、浅草の名店「からあげ縁‐YUKARI‐」とコラボレーションして、神奈川県相模原市にからあげ専門店「からやま相模原店」を開店し、店舗展開を始めたことにある。
ちなみに、同社は本格的な展開に備え、2015年9月1日にアークランドサービスホールディングス株式会社から会社分割して、子会社のエバーアクション株式会社を設立。同年10月には「からあげ縁‐YUKARI‐」を運営するBAN FAMILY株式会社を子会社化し、からあげ専門店を2ブランド抱えることとなった。
2017年にはすかいらーくグループが「から好し」を新業態としてスタート。同年末は首都圏4店舗だったところから2018年6月末には33店まで急成長している。
すかいらーくにしてみれば、メニューバリエーションやアイテム数が大幅に削減されたわけで、運営してみて「これはすごい」と思ったことだろう。現在は同グループのガストにおいても「から好し」の唐揚げを販売している。
急拡大するワタミ×テリー伊藤の「から揚げの天才」
ただし、唐揚げは専門店の形態で販売したほうが格段に売れる。売れない会社は品ぞろえがとにかく多い。高い売価で売るならまだしも、低価格では製造から提供までのオペレーションが複雑になり、売れなくなるのだ。
ワタミも、同社創業者の渡邊美樹氏と、タレントのテリー伊藤氏が出演するラジオ番組内の企画から誕生した唐揚げと卵焼きの店「から揚げの天才」を展開している(2018年〜)。
しっかり味をつけた3種類のバリエーションがあって60グラムと大きめな唐揚げに加え、テリー伊藤氏の実家が営む卵焼き専門店のノウハウで、おかずの王道をふたつ押さえての営業である。ふたつの核があるとはいえ、うまく効率化されている。FCも大々的に募集して全国展開している。