確かに日銀のように爆買いを続ければ一時的には長期金利を低位に抑えることは出来るだろうが、それはのちにハイパーインフレを起こすと歴史が証明している。だから他の中央銀行は日銀のように市場のモンスターになるほどには長期債の爆買いをしていない。したがって、長期金利は相変わらず「市場が決める」のだ。

ならば、お金が、じゃぶじゃぶに出回っていう上に、ワクチン接種が開始され景気が良くなれば長期金利の上昇は、当然の理だ。さらに株価の上昇が継続しているのなら、世界の長期金利上昇はほぼ確実だろう。なにせ1980年に20%を超えた米国10年物金利が、今たったの1.2%でしかないのだ。

わずかな長期金利の上昇が命取りになる

私自身はこの状態ならば、長期金利が史上最高まで上昇しても(=価格は暴落)驚かない。1980年の米国10年金利は20%を超え、日本国債は11%である。例え、そこまで上昇しないにしても、インフレ率が2%まで上昇するならば、最低でも長期金利は2%に上昇しなければ、おかしい。

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その時、日銀は危機となる。日銀は保有国債の保有平均利回りが0.247%(2019年4月~2020年3月)と、他の中央銀行に比べても異常に低い。かつ異常な規模で保有している。少しでも長期金利が上昇すると莫大な評価損を抱えることになる。

債務超過の危機に直面するわけにはいかないと、長期債の爆買いで必死に長期金利の上昇を抑えこめば、他国との長期金利差拡大で円安が大きく進む。その結果、景気過熱で、腕力では長期金利が抑えられなくなる。国債市場は現物債市場だけではない、先物市場もあるからだ、

長期金利が上昇し、日銀が莫大な損失を抱えれば、円という通貨が終焉を迎える。日本売りの発生が予想される。すさまじいエネルギーだろう。こういう時に円資産を持っていればすべてを失う。だから「日本株を購入するなら、いつでも逃げるだけの用意をしながら、こわごわと買った方がいい」とアドバイスしている。

私には、ピークで逃げ切る自信がない。だから日本株には手を出さないのだ。

それでは、今、何するべきか?

これだけ日本が世界最悪の財政赤字となり、日銀が中央銀行としてのていをなさなくなったのだから、今は必死で資産を守るべきで、利益を考える時ではない。だからこそ、私は長年にわたって、ドル資産の購入と、いざとなると避難通貨となる暗号資産の購入をお勧めしてきたのだ。

ドルの購入にしても、これから長期金利の上昇(=価格の下落)が予想されるので、今は早めにドル建てで運用する投資信託である「ドル建てMMF」(マネー・マーケット・ファンド)など短期モノに切り替えることをお勧めする。それでも、まだ何か少しでも利益を上げたいと思われるなら、価格の下落で儲かる金融商品の購入が望ましい。