結婚は愛? それともお金?

「結婚とは、ひとつの消費行動である」

ドイツの新進気鋭の哲学者マルクス・ガブリエルは、「欲望の資本主義」(NHK BS1)という番組の中でこう言いました。これを聞いて「そんなことはない。結婚とは愛だ」と反論したい方もいるかもしれませんが、今回の「結婚とお金」というテーマは、そういう方にこそ読んでほしいのです。

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お見合い結婚が減り、9割が恋愛結婚といわれる現在、ほとんどの夫婦は、恋愛の延長線上として結婚に至ったことでしょう。しかし、その一方で、「恋愛と結婚は別物だ」とも言われます。結婚後の2人の生活というのは、恋愛関係とは違い、現実が突きつけられます。

分かりやすくいえば、現実とはお金です。夫婦2人またはそのうち子をもうけて家族として生活する上で、「愛さえあればなんでも乗り越えられる」などという既婚者はあまりいないのではないでしょうか。ある意味、結婚とは経済基盤をベースとしたひとつの共同体です。つまり、結婚とは経済活動でもあり、消費の一形態というとらえ方はむしろ的を射ていると言えます。

「相手に求めるもの」女性は年収、男性は容姿

昨年12月の記事で、「婚活女子が希望する年収500万円以上の未婚男性は2割しかいない」と書きましたが、500万という基準の是非はともかく、婚活女子の結婚相手の条件から「年収条件」がなくなることはありません。

2015年の国立社会保障・人口問題研究所(社人研)「出生動向基本調査」にある「結婚で重視・考慮する点」の男女差分を見れば明らかな通り、未婚女性が相手に求めるのは「収入」「職業」「学歴」が圧倒的で、対する未婚男性が相手に求めるのは「容姿」という結果となっています。要するに、あくまで独身者の希望ベースの話ですが、結婚とは「男性の経済力と女性の容姿とのトレードオフ」と言えるわけです。