一気に「時間の引き算」をしてはいけない

前述しましたが、私は「朝食の準備、片付け」を引き算するために、固定メニューとして「朝食に炊き込みご飯を導入した」と書きました。これは「よし、引き算するぞ!」と、いきなり月曜日から金曜日までの朝食に導入したわけではありません。

「引き算」の仕組みをスムーズに入れていくには、スモールステップが鍵です。特にルーチン時間(毎日やっている作業)の引き算は仕組みを作って習慣化させることが大事になります。

この仕組み作りに大事なもう1つは、準備時間を作ることです。朝ごはんを固定メニューに変えたいと思ったのなら、変えるために必要な準備時間まで用意します。

<スモールステップ>
・一気に引き算しない
・1日ずつなど小さくはじめる
・うまくいかない時は1つ戻る
<準備時間>
・引き算を導入するために必要な時間を作る
・必要な工程を分ける
・準備に必要な手配をする

では、さきほど例に出した「朝食を炊き込みご飯にする」ために、必要な行動と準備時間を書いてみましょう。

<スモールステップ>
1 生協で炊き込みご飯用の野菜やお肉を頼む
2 材料は、夜ご飯の準備時に切る
3 夕食の片付けのついでに、翌朝タイマーで炊飯器をセットする
4 週2回(月、金)から試す(家族の反応を見て毎食炊き込みごはんでいけるか判断する)
<準備時間>
・炊き込みご飯の材料を購入する仕組みはどうする?
・材料をいつ切る?いつ炊飯器に入れる?
・週何回から試してみる?
・誰の反応を確かめて継続するか考える?

いきなり「全部」をやめるような「引き算」をしてしまうと、リバウンドしやすく、「何が原因」で続かなかったのかがわからなくなります。上記の具体例のようにスモールステップと準備時間を取り入れて、引き算をしていくことが大切です。

週に10時間以上も自由な時間が増えた

私はこの「やめる時間術」を実践し、自分のやりたいことをやる時間を生み出すことができましたが、中でも、「家族との時間」を増やせたことはとても大きなことでした。

この時間術を駆使して、具体的には下記のように時間増やすことができました。

・平日は家事時間が1時間程度削減できた
・土日は週末にやっていた掃除や買い置き、作り置きをする必要がなくなって、土日それぞれ3時間ずつくらい自由な時間が増えた

尾石晴『やめる時間術 24時間を自由に使えないすべての人へ』(実業之日本社)

増えた分は子どもと過ごす時間に当てられています。最近は、夫の趣味のキャンプを活かして月1度は家族でキャンプを楽しみ、それ以外の土日もどちらかは、デイキャンプやバーベキューなどしています。また、虫育児といって、夫が虫好きなので、公園や川などに虫を探しに行ったりもしています。

他にも、平日帰宅後に子どもの遊びや知育に付き合う時間ができ、長男は保育園児ですが小学校受験をして合格しています。

生み出した時間を何に使うかは人それぞれですが、こうして自分の大切な時間を作れる人が少しでも増えてくれることを願っています。

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