「やらなくても困らないこと」が引くべき時間

では仕事でも考えてみましょう。

例えば、定例の仕事であるミーティングの議事録作成に5つ質問の答えを考えてみます。

●議事録作成をやめたら誰が困るのか?
→他の参加者から議事録を読んでいるって話を聞いたことないな。困った時に確認する程度にしか使われてないのかも。
●誰か代わってくれるならやってもらいたいか?
→代わってもらいたい! そういえば、議事録を読んでる発言はAさんが多いかも。
●議事録を作る代わりに何かやりたい時間があるのか?
→読んでいる人が少ないなら、別の仕事時間に充てたい。
●3年、5年、10年後につながる時間になるか?
→仕事のやり方も日々変わるし、議事録をタイピングで取る習慣はいつかなくなるだろうな。

こうやって質問していくと、「議事録作成」という業務をなんとなく継続しているけど、そもそも私が使うべき時間なのかということに考えが及びます。

この場合は、Aさんに交代で取らないか提案してもいいし、あえて作らずに様子を見るという選択肢も浮かんできます。

「やったらいいことはたくさんあるが、やらなくても困らないこと」を見つけるのが「引き算」では重要なポイントになります。

引き算に迷う時は「5つの質問」を使ってみてください。

やりたくないことリストを作るべき

私は日頃から「やりたくないことリスト」の作成をオススメしています(図表1)。

やりたくないことリストを作る
出所=『やめる時間術 24時間を自由に使えないすべての人へ』
このように実際に書いて残しておくことが大切。to doではなく、Not to doリストを作りましょう。

巷の手帳術は、「やりたいことリスト」を書くよう推奨されていますが、やりたいことをやろうと思ったら(足し算)、やりたくないことを決める必要があるので(引き算)、日頃から「やりたくないこと」を明確にしておくのです。

ふつうに過ごしている中で、「あ! これやりたくないな」と思うことがあれば、とりあえずメモしておきましょう。スマホのメモ帳や手帳など何でも構いません。私はスマホのメモ帳に音声入力でささっと入れてしまいます。

例えば、私のやりたくないことリストは、子どもの寝かしつけ、朝食の準備、職場での提出書類のチェックなどが会社員時代は並んでいました。

では、これをやめるためにどうしたのか? 例えば、2人いる子ども(2歳、6歳)の寝かしつけは、次のように子ども2人で寝るように仕組みを変えました。

<2人同時に寝る仕組み作り>
・21時になったら寝室へ行く
・10分起きに部屋を離れて、睡眠確認(安心させつつ居なくなる)
・寝る前に絵本を読む(就寝のトリガーにする)
・家中の部屋を真っ暗にするなど

3カ月ほどかかりましたが、結果的に、今は子ども2人だけで眠れるようになり、私の寝かしつけ時間はなくなりました。引き算の成功です。