何に投資しているのかを理解することが重要

その点、われわれが運用する「おおぶね」で投資しているポートフォリオ企業は、利益の裏付けがあるものだけを選択しているので、過去のバブル崩壊の暴落時でも、それほどひどい下落になっていません。

実際に「おおぶね」の運用成績も、米中貿易摩擦やコロナ禍で株式市場全体が下落するときに、S&P500インデックスほど下げずに、その後も素早く回復してきました。理論上も、私の経験上も、やはり利益の裏付けが株価形成には重要だと考えています。

結局、S&P500インデックスに投資するということは、個別企業の利益の裏付けというよりはむしろ、「米国上場企業のダイナミズム」であるとか「時価総額(株価)を上げることのできない会社は除外される」というS&P500インデックスの仕組みを信じて投資するということです。

ここには個々の企業の利益の裏付けをとるという地道な作業が入っていません。だから相場の失敗=バブルに晒されるということになるのでしょう。インデックスを盲目的に信奉する人は次のバフェット氏の名言をかみしめましょう。

「リスクとは、自分が何をやっているかよくわからないときに起こるものです」

今回はS&P500の弱点の指摘とともに、アクティブ運用の隠れた効用について書くと予告していましたが、前者のみで紙幅を使い果たしてしまいました。

次回こそ、ビジネスパーソンにとって最も重要な投資である「自己投資」につながるアクティブ投資の醍醐味について書いていきたいと思います。

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